2009年に日本人で初めて全米映画監督協会(DGA)から審査員特別賞を受賞した落合賢監督が、最新作『美雪の風鈴』と『ブラッドタイズ』を6月に日本で開催されるアジア最大規模の短編映画祭、ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2011のアジア&ジャパン部門で公開することが決定した。

 ショートショートフィルムフェスティバルは別所哲也氏が代表を務めるアジアでも最大級の短編映画祭で、2004年からはアカデミー賞公認の映画祭となっている。今年は世界各国から4200本以上の作品が集まり、その中から入選した68作品を表参道ヒルズ、原宿ラフォーレ、横浜ブリリアショートショートシアターの三館で上映されるが、激しい競争率の中、落合監督の作品が今年は2作品選ばれた。

 『美雪の風鈴』は、那須を舞台に繰り広げられるヒューマンドラマで、主人公の少女が経験する様々な出会いを、美しい自然を背景に繊細に描く。主人公の美雪役にハロー!プロジェクトの真野恵里菜を起用し、共演には『リアル鬼ごっこ』などで主演を果たした石田卓也を迎えた。主演の真野と監督の落合は、6月24日の上映で舞台挨拶をする予定。また、幅広い層から支持を受ける音楽グループ、ケツメイシのRyouji氏が作曲を担当。主題歌「伝えたいこと」は最新アルバム「ケツノポリス7」にも収録されている。

 『ブラッドタイズ』は落合監督がアメリカで製作した作品。『硫黄島からの手紙』に出演以降、アメリカで最も注目されている日本人俳優の一人、尾崎英二郎が主人公の医師を演じた。7分間の映像をカットなしのワンショットで撮影し、救急救命室の緊張感、主人公の医師の葛藤を見事に表現している。アカデミー賞受賞監督のオリバーストーン氏が審査員長を務める2011年アジアンショートショートフィルムアワード候補作10作品のうちの一つにノミネートされている。

 落合監督は12歳で映画を作り始め、青山学院高等部を卒業後すぐ映画監督になるという夢を追いかけて渡米し、ジョージ・ルーカスなど数多くの著名人を輩出した南カルフォルニア大学(USC)に入学し、映画の歴史、セオリー、制作について学んだ。同大学卒業後、アメリカ映画協会付属大学院(AFI)に進学。そこで監督した『ハーフケニス』は、2009年に全米映画監督協会から審査員特別賞を受賞。また、東京都知事賞、ローマ国際映画祭最優秀短編賞を含む12の賞を世界各地の国際映画祭から受賞した。その後製作した短編『井の中の蛙』は、2010年のショートショートフィルムフェスティバルで国土交通大臣賞と観客賞をW受賞し、世界10カ国、35の映画祭にて上映、8つの賞を受賞した。

『美雪の風鈴』
あらすじ:

両親が旅行に行くため、腹違いの弟二人のお守りを任された美雪は、東京から祖母の住む田舎を訪れる。弟たちは初めての田舎暮らしを楽しむが、美雪はあまりの不便さに不満を持ち、祖母にも弟たちにも冷たくあたる。そんなある日、美雪は村の青年、元気に誘われ、「秘密の場所」へと連れられる。そこで美雪が目にしたのは、第二次世界大戦中に米軍によって落とされた不発弾であった。

上映場所
6月19日 (日) ブリリア ショートショート シアター 17:10 – 19:00
6月24日 (金) ラフォーレミュージアム原宿 11:15 – 13:05 落合•真野 舞台挨拶
6月25日 (土) ブリリア ショートショート シアター 19:20 – 21:10 落合 舞台挨拶

公式サイト:
http://kenochiai.com/works/05_miyuki_wb/top_e.html

『ブラッドタイズ』
あらすじ:

クリスマス目前の救急救命室に、交通事故に遭った重体の患者が二人運ばれてきた。執刀医の畑中丈は、患者を見て息を飲む。一人は見ず知らずの幼い少年だったが、もう一人は自分に会いにロサンゼルスに来た、実の母親だった。二人の命を救うため、畑中は苦渋の決断を迫られる。

上映場所
6月18日 (土) ブリリア ショートショート シアター 15:00 – 16:50
6月23日 (木) ラフォーレミュージアム原宿 11:15 – 13:05 落合 舞台挨拶
6月24日 (金) ブリリア ショートショート シアター 13:20 – 15:10 落合 舞台挨拶

公式サイト:
http://kenochiai.com/works/02_blood_ties/top_e.html

ショートショートフィルムフェスティバル 公式サイト:
http://www.shortshorts.org/2011/ja/index.php#icon1

落合賢公式サイト: www.kenochiai.com
落合賢公式ツイッター : http://twitter.com/kenochiai
制作会社フォトシンス公式Twitter:http://twitter.com/photosynthent

執筆者

Inoue MidoriInoue Midori