地域コミュニティの映像文化を担う人材育成のための総合講座、7月スタート

映像メディア・キュレイター養成講座とは・・・
コミュニティシネマセンターでは、2005年より「映画上映専門家養成講座」と称し、映画を上映する側の人材育成につとめてきました。2011年は、この「映画上映専門家養成講座」の内容を、“メディア芸術”まで拡大し、さらに充実したカリキュラムで実施することになりました。その目的は、《メディア芸術センターや美術館の映像事業、映画祭の企画から、街なか映画館・ミニシアターの運営まで、地域コミュニティの映像文化を担う人材の育成》です。これまで6回の講座の修了生の多くが東京国際映画祭や東京フィルメックスといった国際映画祭の事務局や映像アーカイブ、地域の映画館、映像専門施設等で活躍しています。
映画とメディア芸術のキュレーターを養成
メディア芸術の振興は、現在、最も重要な文化政策課題とされています。その“メディア芸術”を、日本各地域において、どのように提供(展示、上映)していくのか。また、近い将来、「劇場法」が施行されれば、地域の文化芸術の中心である公共ホールにおいても映像事業を企画運営することができるメディア芸術の専門家=映像メディア・キュレイターが必要となってきます。
映像メディア・キュレイター養成講座の内容
この講座は、地域のメディア芸術センター、美術館や図書館の映像学芸員、ミニシアター、コミュニティシネマなどのディレクターやスタッフを目指す人のための講座で、基本的な知識とノウハウを指導します。文化政策やメディア芸術に関する基礎知識、芸術文化活動としての上映活動の理念、まちづくりやコミュニティとの関わり、映画の歴史、製作から保存にいたる専門的な知職、デジタルコンテンツも視野に入れた映画館運営に関するノウハウまで、9ヶ月近くにわたる40コマに及ぶ充実した講座で総合的に学んでいただきます。

【映像メディア・キュレイター養成講座 シネマ・マネジメント・ワークショップ 募集要項概要】
期間:7月13日(水)〜2012年3月下旬
授業時間:週1回平日19時より(月1回土曜日もあり)
教室:映画美学校(渋谷)ほか
受講資格:18才以上。(学歴、職業不問)
募集人数:24人。定員に達し次第、締め切り
授業料: 157.500円(教材費・消費税込)/一部、映画史のみの受講も可
応募締め切り:6月29日(水) 同日、募集ガイダンスまで。(要お問合せ)。
主催:文化庁(平成23年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業)、
映画美学校、コミュニティシネマセンター
協力:東京国立近代美術館フィルムセンター
問:映画美学校 03−5459−1850(月〜土 12時〜20時)
東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS  http://www.eigabigakkou.com/

■映像メディア・キュレイター養成講座 シネマ・マネジメント・ワークショップ主な、カリキュラム(予定)

●ガイダンス〜映像メディアの現在と未文化政策・アートマネジメントの現在●劇場法とは何か映画・映像作品の諸権利と著作権●まちづくりと映画〜メディア芸術センターをつくる●シンポジウム:地域発信型メディア芸術スペースを考える●メディア芸術とメディア映像(クール・ジャパンとメディア芸術)●メディア芸術とは─アート・アニメーション/ストーリー・アニメーション●メディア芸術とは─マンガ/ゲーム日本映画興行史映画祭の企画と運営-●国際映画祭とは何か●企画講義—子どものためのプログラム●企画ゼミ(受講生の企画)●映写・音響システムの基礎知識●地域映像施設①─ミニシアター運営の10ヶ条●地域映像施設②—地域文化の拠点としての映画館●地域映像施設③—公共アートセンターのプログラムと運営●地域映像施設④—マンガミュージアムの展示と上映●【映画鑑賞+映画史講義】各回1作品を鑑賞後、映画史の講義。

■映像メディア・キュレイター養成講座 シネマ・マネジメント・ワークショップ主な講師(五十音順/予定)

石坂健治(東京国際映画祭「アジアの風」部門ディレクター/日本映画大学教授)/岡島尚志(東京国立近代美術館フィルムセンター主幹)/小川直人(せんだいメディアテーク学芸員)/小野田泰明(東北大学大学院工学研究科教授/建築)/川村健一郎(立命館大学映像学部準教授)/佐伯知紀(文化庁文化部芸術文化課・芸術文化調査官)/田井肇(シネマ5代表/大分)/内藤 篤(弁護士/ニューヨーク州弁護士/渋谷「シネマヴェーラ」館主)/堀 三郎(アテネ・フランセ文化センター制作室)/堀越謙三(ユーロスペース代表/東京藝術大学教授/プロデューサー)/松本正道(アテネ・フランセ文化センター主任/映画美学校代表理事)村山匡一郎(映画研究者)、その他、地方近代美術館学芸員や映画館支配人そしてアーティストにも交渉中

■「一般社団法人コミュニティシネマセンター」とは
日本各地の公共的な上映活動を支援するとともに、地域の上映組織“コミュニティシネマ”の設立を推進するための団体が「コミュニティシネマセンター」です。近年では地域映画館のネットワーク「シネマ・シンジケート」の運営や地域の公共上映施設の共同事業「シネマテーク・プロジェクト」なども手がけています。シネマ・シンジゲートの選定作品である「海炭市叙景」(熊切和喜監督)は数々の映画賞を受賞し、「ポルトガル映画祭2011」は現在全国巡回中です。配給協力をしているペルー映画「悲しみのミルク」は現在公開中です。
150-0044 東京都渋谷区円山町1-5 5F 一般社団法人コミュニティシネマセンター 
Tel 050−3535−1573  http://jc3.jp/

■「特定非営利活動法人映画美学校」とは
「映画美学校」は1977年、シネクラブの活動や映画祭の製作を通して世界の映画を紹介しつづけてきたアテネ・フランセ文化センターと、映画製作・配給・興業を行ってきたユーロスペースとの共同プロジェクトとして、映画制作を学ぶ学校として開校、2000年春にNPO(特定非営利活動法人)として認証されました。 実践的な映画制作の授業の中からたくさんの映画作品が生まれ、国内はもとより海外の映画祭でも高い評価を受けてきました。
http://www.eigabigakkou.com/

執筆者

Yasuhiro Togawa