没後20年を経てもなお、世界中から愛され続ける日本の至宝、手塚治虫。
彼の最高傑作と称えられ、コミック界のアカデミー賞と呼ばれるアイズナー賞最優秀国際作品部門を2度にわたって受賞した「ブッダ」。

手塚自身のキャリアで最長となる10年もの歳月を費やし、まさに人生を賭けて挑んだこの作品は、ブッダの生涯を説話に基づいてなぞったものではなく、独自のドラマを構築し、圧倒的なエンタテインメントとして、長く読み継がれてきました。

そしてこの度、5月28日(土)より公開の、映画『手塚治虫のブッダ −赤い砂漠よ!美しく−』の公開を記念し、「手塚治虫のブッダ〜限りなく広がる創造力〜」と題しまして、宝塚市立手塚治虫記念館にて第52回企画展を行う行う運びとなりました。

<趣 旨>
「ブッダ」は『希望の友』1972年9月号から連載、同誌が『少年ワールド』『コミックトム』と誌名を変えていく中、12年間連載された大長編です。
手塚治虫は、誕生、出家、悟り、涅槃といった、ブッダの生涯の大筋は仏典を踏まえながらも大胆に創作を盛り込みました。主人公シッダルタ(後のブッダ)の成長に、手塚が自分なりに考える理想の生きざまを重ねて描き、登場人物にも大胆な脚色を加えています。「火の鳥」と同じ、生と死をテーマにしながらも、手塚はこの作品を楽しく読める「手塚の宗教SF」であると述べています。
本展は、2011年5月に公開される映画「手塚治虫のブッダ—赤い砂漠よ!美しく—」にあわせて原作マンガ「ブッダ」をとりあげ、雑誌扉絵など直筆原稿を展示、生と死の壮大なドラマを紹介します。

<企画展概要>
会 場/手塚治虫記念館 企画展示室(武庫川町7番65号 JR・阪急宝塚駅、阪急宝塚南口駅)
会 期/2011年3月1日(火)〜6月26日(日)9時30分〜17時(入館は16時30分まで)
※2月28日(月)13時〜17時、取材関係者対象の内覧を行います。
休館日/毎週水曜(ただし、3月23・30日、4月6日、5月4日は開館)
入館料/大人700円(560円)、中高生300円(240円)、小学生100円(80円)
※( )は10人以上の団体料金
主 催/宝塚市、宝塚市教育委員会   後 援/エフエム宝塚

<主な展示内容>(予定。いずれも作品名は「ブッダ」)
◇ 「ブッダ」の直筆原稿184枚。なかでも、モノクロ雑誌扉絵直筆原稿81枚の展示は、
モノクロ扉絵を連載後に目にする機会がほとんどないため、貴重な機会となる。
◇ 映画「手塚治虫のブッダ—赤い砂漠よ!美しく—」のキャラクター設定、台本など制作資料

<関連企画>
◇ 会期中入館者に、本展開催記念ポストカードをプレゼントします(先着順)。
◇ 会期中、当館にて、映画「手塚治虫のブッダ—赤い砂漠よ!美しく—」の製作スタッフによるトークショーを予定しています。

関連作品

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執筆者

Naomi Kanno