『Lily』
2011年4月上旬シアターNにてロードショー決定!

一方に不安と絶望の谷間があり、もう一方に愛と希望の絶壁があり、
我々観客は『Lily』という車に乗ってまさにその中間のぎりぎりを
高速度ですり抜けていくような経験をする」——黒沢 清(映画監督)

アメリカで映画製作を学び、脚本家としてハリウッドでキャリアをスタートさせた中島央監督の初長編にして、日本デビュー作。監督自身をモデルにし、ロサンゼルスで撮影され、アメリカ人キャストとスタッフで製作された全編英語のラブ・ストーリー。2009年の第64回カンヌ映画祭でワールドプレミア上映後、ロサンゼルス・ムービーアワードなど各国の映画祭に招待され、この度、全米公開に先駆け日本での公開が決定した。

 また、公開に合わせて3月中旬にアクセルマークから、早くも自伝本が電子書籍で発売になることも決定。
熱狂的な映画ファンの父親の影響で、子供の頃からハリウッド映画やエイゼンシュタイン、小津や黒沢作品などを浴びるように観て育ち、まずは語学を習得するためにニュージーランドへ留学。その後、多くの挫折と出会いを経て、サンフランシスコ州立大学映画学科に入学。学生時代の監督作品「IN THE APARTMENT」がハリウッドの映画会社からリメイク権をオファーされ、その会社で脚本家としてキャリアをスタートする。同時に脚本コンテストに応募し続け、多くの賞を受賞。しかし映画監督になりたい夢を諦めきれず、自力でプロデューサーを探し、ハリウッドで短篇映画を完成。これを足掛かりに、遂に長編映画『Lily』を完成させるまでが描かれている。映画さながらの中島監督の半生と共に、ハリウッドの裏側が覗ける、誰もが共感し夢中になれる内容の書籍となっている。

ロストジェネレーション世代の中島監督の活躍は、長引く不況で皆が下を向いて歩いている日本に、新たな希望を与えてくれる。既に2012年発表予定の日米合作SFラブ・ストーリー、“ARCADE DECADE” (邦題:「アーケード・ディケード」)の製作準備に着手しているという彼の才能を、誰よりも早くチェックしよう!

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執筆者

Naomi Kanno