パルコ提供、パルコ/アップリンク配給、
4月に公開されるストリート・アーティストBANKSYの初監督作『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』が、第83回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた。本作はこれまでサンダンス映画祭、ベルリン映画祭を騒がせ、先日発表された英アカデミー賞の新人賞にもノミネートされている。

世界で最も有名。けれど誰もその素顔を知らない覆面グラフィティアーティスト、BANKSY(バンクシー)。作品が100万ドルを下らない価格で販売されていても、社会風刺的グラフィティアート、ストリートアートを世界各地にゲリラ的に描くという手法を取り、自作を世界各国の有名美術館の人気のない部屋にゲリラ展示したことも話題となった。

スペースインベーダーのモチーフを世界中に張り巡らせたフランス人アーティスト、その名もスペース・インベーダーや、08年のアメリカ合衆国大統領選挙でのオバマ大統領の肖像画で有名なシェパード・フェリーなど、多数のストリート・アーティストが登場するこの作品は、ストリートアーティストであるバンクシーがアート業界の暗部を映し出した、最高に皮肉、最高にユーモアのあるドキュメンタリーとなっている。

LA在住のフランス人映像作家ティエリー・グエッタは、いとこであるスペース・インベーダーと行動を共にするうち、ストリート・アートについてのドキュメンタリーの制作を始める。そこで「誰もが褒めたたえるが誰もその姿を見た事がない」アーティスト、バンクシーにたどり着き取材を始めるが、バンクシーはティエリーに映像の才能がない事に気づき、カメラを奪い、逆にティエリーのドキュメンタリーを自分が監督すると申し出た。
そしてバンクシーはアートの知識も技術もないティエリーをMR.BRAINWASHというストリート・アーティストとして仕立て上げるプロジェクトを開始するが…。

尚、パルコでは公開に合わせ、BANKSYの書籍出版およびMr.Brainwashの展覧会を予定。

バンクシー/BANKSY
イギリスを拠点とする謎のストリート・アーティスト。主にステンシルを使った作品をゲリラ的に描くことで知られている。過去には、「狩りに行く古代人」と題してショッピングカートを押す古代人が描かれた石をこっそりと大英博物館に展示したり、パリス・ヒルトンのデビューアルバムの偽物を勝手に店頭に陳列するなどして、メディアを騒がせた。しかし、イスラエルとパレスチナを分離する壁に平和の願いを込めた作品を残すなどの活動も行っており、ストリートアート・ファンだけでなく、多くの人から絶大な支持を得ている。2009年夏にイギリスのブリストルで開催された大規模な個展「Banksy versus Bristol Museum」には、のべ30万人もの人が来場した。

2011年4月東京都写真美術館、シネマライズ他全国順次公開

映画公式HP→http://www.uplink.co.jp/exitthrough/
映画公式twitter→http://twitter.com/BANKSY_movie

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執筆者

Naomi KannoNaomi Kanno