前作『天安門、恋人たち』では5年間の映画製作・上映禁止処分を受け、ゲリラ撮影により完成させた新作『スプリング・フィーバー』の公開に併せ、UPLINK Xにて12月25日よりロウ・イエ監督作品の中でも根強い人気を誇る2000年公開『ふたりの人魚』を緊急リバイバル上映することが決定しました。

『ふたりの人魚』(83 min /中=ドイツ=日本)
監督・脚本:ロウ・イエ/キャスト:ジョウ・シュン、ジア・ホンシュン他/配給・宣伝:UPLINK 

2000年ロッテルダム国際映画祭タイガー・アワード受賞、TOKYO FILMeX2000最優秀作品賞受賞。
現代の上海を舞台に、ビデオ・カメラマンの男とナイト・クラブで人魚を演じるメイメイ、運び屋のマーダーとマーダーの前から姿を消した少女ムーダンという 2組のカップルの愛が、ミステリアスかつ複雑にからみ合う新感覚ラブ・ストーリー。
【ストーリー】
上海に住んでいる“僕”の仕事はビデオの出張撮影。 ある日、撮影にでかけたバーで“僕”は水槽の中で泳ぐ美しい人魚にひとめぼれしてしまう。彼女の名前は“メイメイ”。つきあい始めた“僕”と“メイメイ”。
しかし彼女には不思議な行動が多く、しかもある日、彼女のことを自分の恋人、“ムーダン”だと言いはる男、マーダーがあらわれた……。ほんとうの恋を探し求め、揺れ動く4人の気持ちが、上海をゆるやかに流れゆくスージョウ河を背景につづられる。切ない恋人たちの物語。

監督:ロウ・イエ
1965 年劇団員の両親のもと、上海に生まれる。1985年北京電影学院映画学科監督科に入学。『ふたりの人魚』(00)は中国国内で上映を禁止されながらも、ロッテルダム映画祭、TOKYO FILMeX2000でグランプリを獲得。1989年の天安門事件にまつわる出来事を扱った『天安門 恋人たち』(06)は、2006年カンヌ国際映画祭で上映された結果、5年間の映画製作・上映禁止処分となる。禁止処分の最中に、中国では未だタブー視されている同性愛を描いた本作『スプリング・フィーバー』は、第62回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した。

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執筆者

Naomi Kanno