<是枝裕和監督、黒沢清監督に続いて、真利子哲也監督が参加!>

真利子哲也監督の劇場デビュー作として、今年1月に公開された『イエローキッド』が、11月23日から開催中のナント三大陸映画祭「Official Selection – Out of competition」に選ばれ、上映されることが決定しました!!

<20作品の中で日本から唯一選出されたのが『イエローキッド』>
アジア、アフリカ、南アメリカの3大陸の商業映画からアート映画まで幅広く紹介しているナント三大陸映画祭は、ホウ・シャオシェン監督やアッバス・キアロスタミ監督、ジャ・ジャンクー監督らをヨーロッパではじめて紹介した映画祭としても知られている。
昨年は、黒沢清監督の世界最大規模のレトロスペクティブが行われ、黒沢監督自身も足を運んでいる。過去には是枝裕和監督の『ワンダフルライフ』がグランプリにあたる金の気球賞を受賞し話題を呼ぶなど、日本の映画作家ともゆかりの深い映画祭である。
今年は、3大陸から寄せられた数多くの映画の中のたった20作の選定作品の中に、ワン・ビン監督などの巨匠と並んで、日本からの上映作品としては唯一『イエローキッド』が選出される快挙を得て、11月26日の上映日を前に真利子哲也が渡仏することも決定した。
東京芸術大学大学院の修了制作作品として、わずか200万円という低予算で作られた『イエローキッド』は、 “New Director/New Cinema 2010” by シネマ・シンジケートの第一回作品として映画館主たちから選出され、全国で公開。バンクーバー国際映画祭 ・ロッテルダム国際映画祭・香港国際映画祭など数多くの海外映画祭にも出品され、これからの日本映画を担う旗手として真利子監督の力強い演出力や脚本の構成力が世界各国で高い評価を得ている。

◆ナント三大陸映画祭ディレクター、ジェローム・バロン氏の談話
「移り変わりの早く、厳しい状況の続く日本の映画業界において、真利子哲也の初長編作はひとつの胸躍る発見であった。この作品は物事に対する拘泥と初期衝動の衝突を描くことで、漫画と満ち溢れる創造力、そして伝統的な写実主義に裏打ちされたボクシング映画をクロスオーヴァーさせた、荒々しくもオリジナルな構成を持ち得ることに成功している。単にスタイリスティックな作品に見えるその裏では、真利子は日常の瑣末な出来事を描いたような陳腐な映画に対しての彼の無関心さに対する思索を我々の内側に残す。彼の「登場人物」たちが動き出すまで、あとどのくらいだろうか?」

◆真利子哲也監督の談話
「頭の中から動き出した小さなことが、気がつけばフランスまで届きました。それだけでも今のぼくにはとても嬉しいことで、次回作への活力になります。ディレクターさんからいただいた「発見」という言葉以上の褒め言葉はないと思います。それに応えられるように、自分のモチベーションを高めたいと思います」

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執筆者

Naomi Kanno