この度、19世紀から20世紀にかけてフランスに実在した女性素朴画家セラフィーヌ・ルイの生涯を描いた伝記映画『セラフィーヌの庭』が只今、岩波ホールにて好評上映中となっております。
本作は、2009年セザール賞の最多となる7部門を受賞し、フランス本国で動員80万人を超えるヒットを記録。
また主演のヨランド・モローが2009年度LA批評家協会賞主演女優賞、2009年ヨーロッパ映画賞主演女優賞にノミネートするなど、各国で注目を集めています。本作は、切ないほどに無垢な心で、危ういほどに激しく “描くことが生きること”であった女性画家と、そんな彼女を支えた続けた画商ヴェルヘルム・ウーデとの心の交流を描いた感動作です。

本作の公開を記念し、「私の花、私の木」と題した絵画展を実施し、一般の人からセラフィーヌの描いていた植物をテーマにした作品を募集した結果、応募が殺到。急遽、募集の締め切り日を、当初予定していた8月7日(公開日)から8月いっぱいに変更する等の盛り上がりを見せた。
寄せられた作品はすべてが劇場である岩波ホールのロビーに展示され、壁一面を彩っている。応募者は下は幼稚園生から年配層までと幅広く、個性豊かで、自由で目を引くものばかり。また鑑賞後にこの絵画展を知り、応募したいといという人も増え続けている!
作品は公開が終了する10月上旬頃まで展示される予定。芸術の秋はちょっぴりめずらしい絵画展を見に劇場に足を運んでみては?

セラフィーヌ・ルイ Seraphine Louis 
(1864-1942)通称:サンリスのセラフィーヌ
パリ郊外サンリスに実在した素朴派の女性画家。フランスのオワーズ県アルシーにて、時計職人の家に生まれる。
貧しい生活の後、家政婦となり、その後、サンリスの女子修道院で働く。
1912年、再び家政婦として働いているところを、ドイツ人画商ヴィルヘルム・ウーデによって見出されるが、1930年の世界大恐慌以来、精神に異常をきたし、病院にて死去。その後、ウーデによって広められ有名になる。
作品のモチーフのほとんどは花、葉、果実などで、色彩は強烈で力強く、幻想的な特徴をもつ。

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執筆者

Yasuhiro Togawa