この度、12月4日(土)より公開となります、映画『武士の家計簿』の音声ガイド・字幕制作体験ワークショップを、8月25日(木)に実施しました。

夏休み総合学習の一環として、視覚や聴覚に障がいのある方も話題の映画を楽しんでもらえるよう、「音声ガイド」と「字幕」を作成する作業を中央区立晴海中学校(2年生)の生徒たちが体験しました。

生徒たちは、『武士の家計簿』の映像を観ながら、「音声ガイド」のつけ方や、「字幕」のつけ方のレクチャーを受け、それぞれが意見を交わしました。

また、作成したガイドについては、実際に視覚や聴覚に障がいのある方からもアドバイスを受けました。

【アドバイス例:字幕】
・字幕作成で、「パチパチという音」というの表現は、そろばんの音ではなく、火が燃える音などと勘違いしてしまうので「パチパチと算盤(そろばん)を弾く音」と表現したほうがわかりやすい。

【アドバイス例:音声ガイド】
・音声ガイドは、季節感や情景、俳優の演技、表情やしぐさなどできるだけ詳しく説明があったほうががよい。

登場人物の感情をどこまで表現するべきかは、生徒たちの間でもいろいろな意見に分かれました。

このように、普段はほとんど気にしないような細かいところにも注意しながら作業を行っていきました。

◆◆◆『武士の家計簿』 音声ガイド・字幕制作体験 ワークショップ

主催:中央区立晴海中学校
住友商事株式会社

協力:「武士の家計簿」製作委員会
シネマ・アクセス・パートナーズ
カンバス

●日時:8月25日(水)

●場所:住友商事本社2階会議室(晴海トリトンスクエアY棟)

●参加者:中央区立晴海中学校2年生約30名

●内容:夏休み総合学習の一環として、バリアフリー映画
(視聴覚障がい者向け映画)の「音声ガイド」や「字幕」を作成するワークショップ

●目的
(1)目や耳が不自由な方の立場にたち、必要な情報を選別したり言葉を推敲する事で、言葉の勉強になる。
また障がい者と共に生きることについて考える。

(2)実際の職業体験を通じ、仕事の楽しさや厳しさなどを学び、社会への理解を促す。

●上映会:作成したバリアフリー映画の上映を、公開に先立ち、2010年11月23日(火)に上映予定。

※今回作成した字幕は、12月上旬より全国一部劇場にてバリアフリー上映の際、実際に使用されます。

参加者【中央区立晴海中学校2年生】コメント

「“音声ガイド”は画面を見ながら、作った人が伝えようとすることを見えない人、見えにくい人にも正しく伝えようと考えるので普通に映画を見るより、集中して細かいところまで見ることができました。」

「映画を見ながら、普段気にしなかったことなど細かいこともわかるので、健常者にとっても“音声ガイド”や“字幕”があると便利だなと思いました。」

「“音声ガイド”や“字幕”など、バリアフリーの作品だと、障がいがある方とも同じ作品を楽しめて、(晴海中学校の理念のひとつでもある)“共生”にもつながると思いました。」

【バリアフリー上映とは?】

視覚や聴覚に障がいのある方にも話題の映画を家族や友人と一緒に鑑賞いただけるよう、映画公開に合わせて、視覚障がい者向けの「音声ガイド」や聴覚障がい者向けの「日本語字幕」をつけた作品を制作し、全国各地の上映館に協力頂き、バリアフリー版作品を鑑賞できる機会を提供する取り組み。

音声ガイド:
セリフとセリフの間の場面解説をナレーションすることで、視覚障がい者が映像を想像しながら映画を楽しむ。

日本語字幕:
セリフや話者、効果音を表示することで、聴覚障がい者の理解をサポートする。

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執筆者

Yasuhiro Togawa