世界的代表作『鉄男』から20年。塚本晋也監督最新作『鉄男 THE BULLET MAN』(5/22全国公開)が、ヴェネチア国際映画祭コンペ出品を皮切りに、スペイン・シッチェス、韓国・釜山を経て、2010年、遂に北米へ上陸!
黒澤明監督100回目の誕生日となる現地時間3月23日、カリフォルニア州最大となるLAウェスティン・ボナベンチャーホテルにて開催中の第1回「グリーンプラネット・フィルム・アワード」授賞式典へ塚本晋也監督が出席、『鉄男 TBM』が「MOST ANTICIPATED INTERNATIONAL FILM of 2010:ACTION FILM “2010年アジア映画(アメリカ映画以外)で最も期待される映画”」を受賞しました。

これは2009年度各国の映画祭および映画賞で脚光を浴び、既に世界的な話題を巻き起こした”2010年公開作”へ贈られる賞。
スティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、マーティン・スコセッシ、オリバー・ストーンを含む7人の選出委員会が、協議の上で選出した。
(「MOST ANTICIPATED FILM of 2010(アメリカ映画で最も期待される映画)は『シャッター・アイランド』が受賞)

また、同式典のもう一つの趣旨は「黒澤明生誕100年トリビュート」。
同日行われた記者会見は、黒澤明・塚本晋也両監督の大型パネルの前で開催。
主催者側より米国マスコミに向けて”「ポスト アキラ・クロサワ」が日本から来た”とアナウンス。
「The Hollywood Reporter」「Channel 4」「Examiner」等の米国の取材陣が会場に駆けつける中、塚本監督は、尊敬する黒澤監督とマイベストフィルムに挙げる『七人の侍』への想いを語り、その後『七人の侍』が上映された。
そして、LA最大のボールルームでの華やかな授賞式が行われた。
塚本晋也の受賞と共に、アジア人俳優に贈られる賞「MOST OUTSTANDING ASIANS in HOLLYWOOD
(ハリウッドで最も活躍しているアジア俳優)」を、チョウ・ユンファ、ジェット・リー、チャン・ツィイー、コン・リー、渡辺謙を抑え、真田広之が受賞。
現地入りしていた真田は「自分の功績が、後に続く若い人たちの為になればと思いやってきました。
この賞をもらって今後10年頑張れます」とコメント。
授賞式のメインゲストとなった塚本、真田両名へのプレゼンターはハリウッド女優のタムリン・トミタ。
ウェイン・ワン監督作『ジョイ・ラック・クラブ』等の大作の主演を務めたアジア人俳優・ハリウッド進出のパイオニアである彼女から、豪華なトロフィーが手渡された。

さらに記者会見では、ニューヨークで4月22日より開催される第9回「トライベッカ映画祭」への出品決定を発表。
2002年にロバート・デ・ニーロが始めたこの映画祭は、9.11とその喪失からNYの街を復興させようという想いが出発点となっており、『鉄男TBM』で描かれる「都市と暴力」「報復の是非」「家族」という共通テーマを持って塚本監督と主演のエリック・ボシックが渡米、
現地時間4月25日、記念すべき『鉄男TBM』の”北米プレミア”がいよいよ開催される。

【塚本晋也監督のコメント】

この映画は、流行の3DもCGもほとんど使っておらず、昔ながらのアナログの方法で撮影しました、CGでは出せない本物の迫力が出せたと思っており、本物の鉄の男が大暴れします。
『アバター』とは対局のアナログ映画ですが、体が受けるインパクトは 同じだと観た人には言われます。
上映時間は『アバター』の3分の1ですが、見た後の疲労度は『アバター』の3倍は間違いなくあります。
どうか皆さん、期待して、体感してください。
そしてこの映画は初め、ハリウッドの、タランティーノを含め色々な人から”鉄男のアメリカ版を作らないか”と言われて始まった企画です。
最終的には日本映画として作りましたが,自分はアメリカ映画のつもりで作ったので、ここアメリカの地で、今年最も期待される外国映画の唯一の作品として選んでいただいたことは、本当に光栄です。
こんなにすばらしい賞を、このアメリカの地でいただけて、本当にありがとうございます。
トライベッカ映画祭で上映されるのは、この作品のテーマにとって大変意義深いこと。
デ・ニーロさんが観て、何を感じるかを確認したい。

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執筆者

Yasuhiro Togawa