「本当に大切なもの以外何もいらない」
   偏陸さんは真剣にそう思っているに違いない。
———緒川たまき【女優】
テラヤマワールドから飛び出すトリックスター
もりさきへん森崎偏っりく陸のみつめるものとは・・・
83年、天才・寺山修司はこの世を去った。それにともない劇団天井桟敷は解散。いまわの際の寺山の母・はつに懇願された森崎偏陸は、同じく寺山の表現活動を支えてきた九條今日子とともに籍に入り『弟』となった。寺山が偏陸に残した実験映画「ローラ」上映を筆頭に寺山作品とともに日本中、そして世界へと飛び出していく偏陸。スクリーンの内外を自在に行き来する「ローラ」さながら現実とも虚構ともつかない時間を生きる。日本が世界に誇るアーティスト、荒木経惟(写真家)、木村威夫(映画美術)、松村禎三(音楽家)、宇野亜喜良(イラストレーター)、森山大道(写真家)、浦岡敬一(映画編集)たちとの華麗なる交流や日常生活を追いながら、次第にカメラは人間・森崎偏陸の心理の深淵へと降りていく。監督は「樹の上の草魚」(97年)の石川淳志、本作が初のドキュメンタリー作品となる。
このたび、初日が10月10日(土)に決定致しました。

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執筆者

Yasuhiro Togawa