「ちいさなひとのえいががっこう」(ちいがく)は子どものための映画学校を作るべく立ち上げられた、ボランティアによるサークルです。これまで「おはなしくらべ」などの子ども映画会を過去に24回、また「映画館遠足」を4回企画して実施してきました。
http://yaplog.jp/eigagakkou/

今回は、チェコのアニメーション作品を集めて上映します。チェコの伝承に題材をとった、巨匠イジー・トルンカの長編人形アニメーション「パヤヤ王子」の他、短編作品を6本、上映します。ちいがくでは、夏休みに渋谷の映画館への「映画館遠足」として、チェコのイジー・バルタ監督による人形アニメーション「屋根裏のポムネンカ」(配給:アットアームズ、渋谷ユーロスペースにて8月公開)の鑑賞を予定しています。今回の特集上映は、その予習としてチェコアニメをより身近に楽しむきっかけとなると思います。

子どもはもちろん、親にとっても楽しめるプログラムとなっています。
入場は無料。16mm映写機による上映で実際にフィルムが映写される様子も見ることが出来ます。
また、映画の基本となる”絵が動いてみえる仕組み”を学ぶために、簡単な視覚おもちゃの工作も予定しています。夏休みの自由研究にも役立ててください。

■開催概要
主催:ちいさなひとのえいががっこう
協力:都立多摩図書館、特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会
助成:独立行政法人国立青少年教育振興機構(子どもゆめ基金)
日時: 2009年7月25日(土) 13:30-17:15
会場:セシオン杉並2F・視聴覚室 (杉並区梅里1-22-32)
    →地下鉄丸ノ内線「東高円寺」駅徒歩5分、「新高円寺」徒歩7分
    →関東バス(中野 – 五日市営業所・吉祥寺)「杉並車庫前」 徒歩5分
    →都営・京王バス(阿佐ヶ谷 – 渋谷)「セシオン杉並前」 徒歩2分
     地図→https://www.yoyaku.city.suginami.tokyo.jp/HTML/0030.htm
料金:無料
ブログ:http://yaplog.jp/eigagakkou/
お問い合わせ:ちいさなひとのえいががっこう(担当:岡崎)
   携帯:090-7132-8393 e-mail: eigagakkou@hotmail.co.jp
  *大人だけの参加(見学、取材など)をご希望の際はあらかじめご連絡ください。

■上映スケジュール
【13:00 開場】
【13:30 開始】
 13:30 映画を観る前のお話
 13:35 第1部「チェコの短編アニメ」上映開始
「こどもとインディアン」16mm、10分
「りすとカメラマン」16mm、9分
「空飛ぶ宝箱」16mm、10分
(映画についてのお話、休憩、映写機見学)20分
 14:25 第2部「チェコの人形アニメ」上映開始
「ねんどくんのさんぽ」16mm、8分
「おじいさんと不思議なおくりもの」16mm、16分
「王さまの耳はろばの耳」16mm、27分
(休憩)10分
 15:30 工作体験ワークショップ 45分
16:15 第3部上映開始
「パヤヤ王子」16mm、67分
 17:25 終わりのお話
 【17:30 終了予定】

■上映作品の解説

「こどもとインディアン」
(10分/1970年/カラー16mmフィルム)
 二人の子どもが、冒険旅行でアメリカヘ。インディアンに扮装し野牛を追い草原に出たら、狼の皮をかぶったインディアンにばったり。インディアンにつかまった二人の逃れる道は?

「りすとカメラマン」
(9分/1970年/カラー/16mmフィルム)
 少年カメラマンが森の中でリスを写そうとしたら怪しい男にカメラをこわされ、縛りあげられてしまう。そこに不思議な男が現れて、描いた物が本物になる魔法の鉛筆を置いてゆく。

「空とぶ宝箱」
(10分/1973年/カラー/16mmフィルム)
 屋根裏部屋で2人の兄弟は大きな箱を見つけた。魔法の呪文を唱えると、箱は空に浮かび、宇宙に飛びだした。天の川の水を飲んだり、星を網ですくったり、魔法使いに会ったり…。セリフなし。音楽のみ。原題:Latajacy kufer.

「ねんどくんのさんぽ」
(8分/カラー/16mmフィルム)
 子供が好きなやわらかい粘土がおりなす不思議な幻想の世界。ねんどの家族が日曜日の遊園地ですごす楽しい一日を描く。

「おじいさんと不思議なおくりもの」
(16分/カラー/16mmフィルム)
 三人の旅人が、おじいさんの親切に感謝して三つの袋を置いていった。この三つの袋が起す不思議なできごとをめぐるお話。

「王さまの耳はろばの耳」
(27分/1978年/カラー/16mmフィルム)
 町中の床屋が散髪に呼ばれては帰ってこない。若い床屋が呼ばれ、王様の耳がロバの耳という秘密を知って口止めされ、本当のことを言えず苦しむ。王様の誕生日、楽隊がきたとき秘密がばれる。人形アニメ。監督:カレル・ゼーマン

「バヤヤ王子」
(67分/1950年/カラー/16mmフィルム)
 人形アニメでは世界最高の巨匠と言われるチェコのイルジー・トルンカ(1912
?1969年)の作品。物静かな人形のつくり出す世界には、不思議な大気が満ちている。老父と暮らす若者バヤヤは、白馬に姿を変えた亡き母の頼みで旅に出た。その頃お城では、三人の姫君が魔物に嫁ぐ日が近づき、悲しみに沈んでいた…。

★★ イジー・トルンカ プロフィール ★★
 人形劇に魅せられ人形作家を志す。その他劇場の舞台美術や絵本の挿絵などと仕事を重ねる。1945年に美術監督の依頼を受けたのをきっかけに、トリック・ブラザーススタジオを設立。1946年に『動物たちと山賊』がカンヌ映画祭でトリック映画最優秀賞を獲得。同部門に参加したディズニーに勝利し、世界を驚かす。その後も『チェコの古代伝説』(1952年)が翌年のヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞するなど、様々な映画祭で名声を浴びた。また、アンデルセン賞を受賞した絵本作家の顔も持つ。

★★ 視覚おもちゃで遊ぼう! 工作体験ワークショップ ★★
7月25日15時30分から(予定)
映画やアニメーションはどうやって動くのかな?
簡単な視覚おもちゃを使って、絵が動いて見える仕組みを知ります。フリップブック(パラパラ漫画)や、ソーマトロープ、ゾーイトロープ、フェナキティスコープ(驚き盤)で遊んでみましょう。希望者には、工作体験も実施予定です。ソーマトロープとフェナキスティスコープの作り方を指導します。材料(型紙)や道具はちいがくが用意しています。夏休みの自由研究に役立ててください。(先着順、材料費1名につき100円)

■「ちいさなひとのえいががっこう」とは…?
 「映画を勉強しよう!」をコンセプトに、子どもも親も一緒になって映画を楽しめる場を作りたい、とボランティアの有志が集まって活動を始めたサークルです。これまでに「こどもえいがかい」を24回開催してきました。第26回は8月22日に杉並区立中央図書館で予定しております。
また、夏休みには渋谷の映画館「ユーロスペース」へ、みんなで団体鑑賞に出かける「親子で映画館遠足」(上映作品「屋根裏のポムネンカ」(予定))を企画しています。
開始してから4年ほどの活動ですが、これからもいろいろな映画上映会で映画を楽しんだり、近くの映画館へ遠足に行ったり、映画の作り方の秘密を知るためのワークショップを企画しようと考えています。
ただいま「ちいさなひとのえいががっこう」では、一緒に活動をしてくれるボランティア・スタッフ(年齢・職業関係なし!)と、一緒に映画を楽しんで観てくれる生徒を募集しています。ブログはhttp://yaplog.jp/eigagakkou/
詳しくは、eigagakkou@hotmail.co.jp (岡崎)までお問い合わせください。

執筆者

Yasuhiro Togawa