今年11回目を迎える山形国際ドキュメンタリー映画祭。
インターナショナル・コンペティションのラインアップが決まりました!
http://www.yidff.jp/2009/program/09p1.html

月刊ヤマガタ7月号は、今年のインターナショナル・コンペティションで『忘却』が上映されるエディ・ホニグマン監督の1997年の作品『アンダーグラウンド・オーケストラ』。
パリの地下鉄や街角でメロディーを奏でる世界各地からやってきた人々の、様々な音楽と言葉が響きます。ゲストには音楽の批評と制作を社会的なムーヴメントとして組織してきた批評家・平井玄さんをお迎えします。

上映開始時間:open/19:15 start/19:30 上映開始30分経過後はご入場いただけません。
会場:シネマート六本木 《3F》スクリーン4
料金:当日一般1500円、シニア/学生1000円
月刊ヤマガタ回数券あり。(詳細はお問合せください)
アクセス:六本木駅より徒歩約2分(大江戸線「六本木」駅
5番出口、日比谷線「六本木」駅3番出口)
東京都港区六本木3-8-15 TEL:03-5413-7711

7月号 日時:2009年 7月14日(火)
『アンダーグラウンド・オーケストラ』トークゲスト 平井玄(批評家)
監督:エディ・ホニグマン
オランダ/1997/フランス語、ルーマニア語、スペイン語/
カラー/35mm/115分/日本語・英語字幕

地下鉄で、街角で、思い思いの楽器を演奏し糧を得ているパリの音楽家たち。その多くは政治亡命者であり不法移民である彼らの過酷な現実と、クラシックからシャンソン、R&Bなど演奏される音楽の素晴らしさ。
世界各地からパリへとやってきた彼らを、パリ祭の日に観よう! 監督のエディ・ホニグマンは1951年リマ生まれ、70年代にオランダに移住。ペルーのタクシー運転手を撮った『メタル&メランコリー』(YIDFF95最優秀賞)や『クレイジー』(YIDFF2001で上映)など、彼女は毎年新作を発表している多作のドキュメンタリー作家でYIDFF2009インターナショナル・コンペティションでは『忘却』が上映される。1999年審査員特別賞受賞。

平井玄(批評家)
1952年、東京・新宿生まれ。ジャズを中心とする音楽の批評・プロデュースの他、様々な社会活動に携わる。
音楽と思想がぶつかり合う独特の場所で思考してきた。音楽文化論。著書に『路上のマテリアリズム』(社会評論社)、『ミッキーマウスのプロレタリア宣言』(太田出版)、『千のムジカ』(青土社)などがある。
共著も『音の力』シリーズ(インパクト出版会)など多数。
現在、横浜国立大学人間教育学部非常勤講師。

<8月以降のラインアップ>
8月号 日時:2009年 8月18日
(火)『刑法175条』 ※トークゲスト未定
監督:ロブ・エプスタイン、ジェフリー・フリードマン
アメリカ/1999/英語、ドイツ語、フランス語/カラー/35mm/
81分/日本語・英語字幕

ナチスによる迫害は、ユダヤ人だけではなく同性愛者にも及んでいた。
同性愛者を差別するドイツの“刑法175条”によって弾圧された彼らは、自身の体験を語ることはほとんどなかった。強制収容所での体験、恋人の虐殺、地下抵抗組織の指導者としての経験が、ゲイ男性たちとひとりのレズビアン女性によって語られる。
エプスタインはドキュメンタリー『ハーヴェイ・ミルク』(1984)でオスカーを受賞し、フリードマンと共同で監督した『セルロイド・クローゼット』(1995)ではハリウッド映画史に秘められた性的少数派や検閲の問題を暴き、アメリカの政治、文化の変遷を描いている。

9月号 日時:2009年 9月10日
(木) 『思いやりの話』&<映画祭直前お宝作品> ※トークゲスト未定
監督:チャン・ヴァン・トゥイ
ベトナム/1986/ベトナム語/カラー/35mm/45
分/日本語字幕

ベトナムにおいて独自のペレストロイカを試みた時代。市民の生活の仕方と、個人の道徳観念について描くことを装いながら、ユーモアあふれる独特の語り口で社会批評をやってのける。「私は、この『思いやりの話』を見るたびにいつも、おおらかな笑いの精神に無限の勇気を与えられる」と故佐藤真監督(『ドキュメンタリー映画の地平』)。
このフィルムは世界で現存するただ一本と言われ、海外でも上映に使われている。10月の今年の映画祭本番直前のサプライズ上映と合わせてどうぞ!

10月8日(木)〜15日(木)は山形
国際ドキュメンタリー映画祭2009 開催!

執筆者

Yasuhiro Togawa