アフガニスタンの、かつて歴史的な仏像が破壊されたバーミヤンを舞台にした映画『子供の情景』(ハナ・マフマルバフ監督)が4月18日より公開の東京・岩波ホールを皮切りに全国順次ロードショーとなります。映画の主人公は、「どうしても学校に行きたい」「どうしても字が読み書きできるようになりたい」と願う6歳の少女です。

アフガニスタンでは、多くの子供が「勉強がしたい」と願い、そして世界のNGOもアフガニスタンの教育支援に力を注いできました。しかし干ばつなどによって繰り返される生活の困窮や、社会的因習、長く続く戦争などに阻まれ、子供達のその願いはいまだ叶えられたとはいえません。

アメリカのオバマ新大統領が、対テロ戦略の主軸をアフガニスタンに移し、大規模な兵の増強を決定した今、映画『子供の情景』が語りかける、子供達が学ぶものが「戦争」であっていいのだろうか、というメッセージはますます重要なものになっています。そこで、本作の公開にあたり、映画『子供の情景』を通して募金活動を行い、バーミヤンで教育支援活動を行ってきたセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの協力を得て、映画の撮影地バーミヤンの子供達に本を贈るキャンペーンを実施します。
※アフガニスタンの状況の変化等により実施できなくなる場合、違う支援の形になる可能性があります。

“もしもこの地に降り注いだのが爆弾でなく、書物だったなら、きっと世界は変わっていたでしょう。”

映画『子供の情景』原題となったモフセン・マフマルバフ(ハナ・マフマルバフ監督の父)著
「アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない。恥辱のあまり崩れ落ちたのだ」
より

≪キャンペーン期間:3月18日(水)〜映画公開終了まで≫

(参考資料)
募金の仕組み

■ キャンペーン期間中、カフェグルーヴが運営する映画サイト「シネマカフェ」ほか各協力サイトに、映画配給元およびキャンペーン協賛各社のキャンペーンバナーを掲載します。

■ 参加者は掲載されたバナーをクリックするだけ。1クリックを本1冊分(2米ドル)とカウントし、映画配給元およびキャンペーン協賛各社より、子どもたちのための国際NGO団体「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」へ寄付を行います。

■ 寄付金は200冊分ごと(400米ドル)に1つの「移動図書箱」の調達(本200冊入りの移動図書箱)、及びモニタリング費用など活動管理費に使用されます。

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セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとは?:http://www.savechildren.or.jp/

「セーブ・ザ・チルドレン」は、子供たちのための民間の国際援助団体(NGO)です。現在、世界で27か国のそれぞれ独立した組織が、パートナーを組み、世界最大のネットワークを活かして、120か国以上で活動を展開しています。国連の「子供の権利条約」を理念とし、世界の子供たちとその家族、周囲の環境をより良いものに改善するため、精力的に活動を行っています。特に、紛争の影響下にある子供たちへの教育支援として、全世界の「セーブ・ザ・チルドレン」が一丸となってRewrite the Future〜いっしょに描こう! 子供の未来キャンペーンを現在、アフガニスタンやネパール、アフリカなど全世界で展開しています。

本キャンペーンは、「セーブ・ザ・チルドレン」の現地リサーチにより、現地のニーズをふまえて実施されるものです。「移動図書箱」は消耗品の提供とは異なり、教育という継続的な形での支援となります。図書配布後、子どもたちが読書グループを形成し、子供たち自身が年少の子どもたちに図書を読み聞かせをするという活動を予定しています。識字・読書能力の向上に加え、読書を通じて相手を思いやる機会や、自らの自信を深める機会を提供する活動を期待できます。

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執筆者

Yasuhiro Togawa