幾年かに渡りフランス映画祭は横浜で開催して参りましたが、日本の首都・東京にその場所を移して早4年目となるフランス映画祭。

2006年キャロル・ブーケ、2007年カトリーヌ・ドヌーヴ、2008年ソフィー・マルソーに続き、2009年のフランス映画祭団長にジュリエット・ビノシュが決定しました。
映画祭開催期間は3月12日(木)〜15日(日)までとなり、TOHOシネマズ六本木ヒルズにジュリエット・ビノシュが団長として来日します。

また、新しいフランス映画作品の上映が決定し、来日する監督やアーティストなどのフランス代表団のメンバーも決まりつつあります。映画の上映だけに留まらず、今年も映画関連の学校でのマスタークラスを開催し、マーケットも映画祭のプログラムに組み込まれました。
またこの映画祭はTOHOグループの貴重な協力により、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行なわれます。

そして、団長であるジュリエット・ビノシュ主演の『レトロスペクティブ』を東京日仏学院主催にてフランス大使館とユニフランスの協力のもと、東京日仏学院とユーロスペースで開催する予定です。

≪団長コメント≫

「映画はパスポートなしで国境を越えて、外へと送り出されるために作られます。フランスはたくさんの映画が旅立つ出発地点であり、また、さまざまな外国の映画が迎え入れられる地でもあります。たとえばキェシロフスキ、ハネケ、ホオ・シャオシェン、諏訪敦彦、そしてフリアーズは、最近もフランスで映画を作りました。そう、フランスのために。しかしそれはフランスが常に生まれ変わり、互いの違いを認めながら開かれてありたいと望み、そして新しいものを求め続ける限りにおいてです。また、わたしたちがUni=結びついて一つになるのは、フランスのためではなく、フランス映画の歴史が私たちに伝えてくれた「自由」と「必然性」の理念、その独立の息吹のおかげです。ルノワールやブレッソン、ヴィゴ、トリュフォー、ゴダール、レネ、デュモンがもしいなかったら、映画芸術はどのようになっていたのでしょうか。また一方で、フランス映画は、他国の偉大なシネアストたち、偉大なまなざしの持ち主たちに触発されてきました。それはたとえば日本の黒澤、溝口、小津、北野、是枝、河瀬、宮崎、黒沢です。彼らが存在しない映画の世界が考えられるでしょうか。2009年3月に東京で開かれるフランス映画祭は単なる公式行事ではなく、私たちが心から望んだ出会いの場であり、その映画祭を代表することは私にとって本当に嬉しく、誇らしいことです」

ジュリエット・ビノシュ(Juliette Binoche)
出身地:フランス/パリ
舞台監督の父と女優で舞台講師の母を持つ。幼い頃から演劇に親しみ、コンセルバトワールで演技を学び、12歳で舞台に立つ。以後、TVや舞台で活動を続け、1985年『ランデヴー』で初主演を経験しセザール賞の主演女優賞にノミネート。その後、様々な作品に出演。

執筆者

Naomi Kanno