「ぼくんち」、「毎日かあさん」など独特の画風で人気を博している漫画家、西原理恵子の「女の子ものがたり」は、ハードカバー漫画としては異例の15万部という大ヒットを記録しているベストセラーです。その「女の子ものがたり」がついに映画化されます。

 海の見える村から、山と畑と工場に囲まれた街に引越して来たなつみが出会ったのは、みさちゃんときいちゃん。大人になるまでの、しんどくてつまらなくて、けれどあふれるくらい大切な<あの頃>を誰もが思い出さずにはいられなくなる3人の女の子の成長物語。友だちとの交流を通して大人へと成長する過程を描き、逆境にあってもたくましく生きる人生模様を色彩豊かに表現した感動作です。

 主人公なつみの大人になった姿を演じるのは、『博士の愛した数式』以来の主演作となる深津絵里。漫画家としてスランプのさなかにいる主人公が、子供時代の友情を思い出すことで前向きな気持ちを取り戻していく様を、透明感あふれる独特の存在感で演じており、同世代の女性たちの共感を得られると思われます。共演は『ワルボロ』や『タッチ』の映画作品のほか、「イノセント・ラヴ」などドラマでも活躍している今注目の福士誠治のほか、風吹ジュン、奥貫薫、板尾創路ら多彩な役者たちがそろっております。また、脚本・監督は『子猫の涙』 で2007年東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門特別賞を受賞した森岡利行。2009年、すべての”女の子”を元気にする映画として、注目されること間違いなしの1本です。

—————————————-
<西原理恵子さんコメント>

●映画化について
ありがたいです。感謝の気持ちでいっぱいです。自分の孫が歩いているみたい。記念に出演させてとお願いして出させてもらいました。中年のおばちゃん役です。

●深津絵里さんについての印象、感想
私の半分くらいの細さの人で驚きました。漫画家であんなにキレイな人はいないですね。

<森岡監督コメント>

●映画化にあたっての感想
西原さんの原作『女の子ものがたり』は女の子の無邪気さや、希望、幻滅、喜び、苦悩という人生にもっとも誠実な時代を描いています。
もし、その女の子が将来漫画家になっていて、壁にブチ当たり悶々としていたら……そして、何かのきっかけで過去の記憶を辿っていくうちに、『女の子ものがたり』という宝物を手にして、元気を取り戻し、もう一度歩き出すことが出来ないだろうか……というアプローチから始め、主人公・菜都美を通し、何かに行き詰まっている人、落ち込んでいる人がちょっぴり元気になれば……そんな願いを抱いて映画化に臨みました。

●深津さんを起用しての感想
世田谷の劇場で深津さんが演じる舞台劇『春琴』を観たとき、まぎれもなく『春琴』がそこにいるという感動がありました。その集中力、盲人の中に輝く煌めきを演じるリアリティの凄さ。そんな深津さんが本作の主人公・高原菜都美を演じることになり、歓喜を隠せませんでした。映画での深津さんは、明るい表情の中にも秘めた苦悩を見事に演じきって下さり、本当に感謝しています。

<深津絵里さんコメント>

西原さんの作品の中で、一番最初に読んだのが偶然にも「女の子ものがたり」でした。それ以来ずっとファンでした。この作品の映画化に関わることができ、とてもうれしく思います。そして、一方的に縁を感じています。
撮影前に、西原さんの仕事場兼ご自宅にお邪魔する機会があったのですが、西原さんご本人がマンガを書く時の癖や、生活のリズムなどを細かくお話してくださいました。
とにかく頭の回転が速く、飾らないのにとてもキラキラしてました。
私の憧れの女性です。
菜都美役を演じてみて感じたことは、原作には描かれていない時代の主人公を演じたのですが、女の子から大人になった菜都美をあれこれ自由に想像しながら演じるのは、とても楽しい作業でした。迷った時には原作の中に答えがあると思い何度も読み返し、ヒントをもらって演じました。

2009年秋 全国ロードショー

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=47242

執筆者

Naomi Kanno