巨匠エリック・ロメールが贈る、5世紀フランスの究極の愛と官能。
17世紀フランス文学サロンで高い評価を受け、大河ロマン小説の元祖とも言われる「アストレ」を、原作そのままに忠実に映画化。

2008年のフランス映画祭で上映されたエリック・ロメール監督最新作「アストレとセラドンの恋(仮)」の邦題ならびに一般公開が決定しました。

エリック・ロメール監督最新作、ローマ時代の大自然を舞台に若い羊飼いの男女の恋愛を描いた”Les Amours d’Astrée et de Céladon(原題)”の邦題を『我が至上の愛〜アストレとセラドン〜』に決定、2009年お正月第二弾作品として銀座テアトルシネマにて公開する運びとなりました。

若き羊飼いアストレとセラドンの伝説の純愛物語

ローマ時代—純粋な愛を育んでいた羊飼いのアストレとセラドン。しかしアストレは、セラドンが浮気をしたと疑い、「私の前にもう二度と現れないで欲しい」と拒絶する。 絶望したセラドンは入水自殺を図るが、ニンフ(精霊)に助けられ、死を逃れていた・・・。

その端麗なる容姿からマダムに気に入られ、村へ戻ることを許されないセラドン。彼を兄のように慕うレオニードの計らいで城から脱出するが、アストレの「二度と現れないで欲しい」という言葉を忠実に守り、彼は村には戻らずに森で暮らし始める。そんなセラドンを不憫に思ったレオニードとドルイド僧が、アストレに会う機会を彼に与えようとするが—。

■エリック・ロメール(88歳) Eric Rohmer 監督
1920年4月4日、フランス・ロレーヌ地方のナンシー生まれ。
大学で文学を専攻し、1942年に文学教師の資格を得て、パリのリセで教鞭をとる(古典文学を教授)。その傍ら映画評論を執筆する。 カイエ・デュ・シネマ誌を創刊、後に6年間編集長を務める。1959年『獅子座』で長編第一作品監督デビュー。
フランス映画界、ヌーヴェルヴァーグの重要人物。

【代表作】
『モード家の一夜 Ma nuit chez Maud』 (1969) 全米映画批評家協会賞・脚本賞、ニューヨーク映画批評家協会賞・脚本賞『O侯爵夫人 La Marquise d’O』(1976) カンヌ国際映画祭・審査員特別グランプリ『海辺のポーリーヌ Pauline a la plage』(1983) ベルリン国際映画祭・監督賞/国際批評家連盟賞『緑の光線 Le Rayon vert』(1986) ヴェネチア国際映画祭・金獅子賞/国際批評家賞

【原作「アストレ」について】
著者 オノレ・デュルフェ Honore d’Urfe 小説家 1568年〜1625年、マルセイユ生

「アストレ Astree」
全5,000ページの超大作であり、5世紀のガリア地方の羊飼いたちを想像して描かれた、大河小説のパイオニアとも呼ばれる作品。

1607年:第一章出版/1610年:第ニ章出版/1619年:第三章出版/1627年:第四章出版
1628年:第五章出版 ※デュルフェの秘書が追記し、出版
1647年:完全版が出版
2007年:フランスにて映画の公開に合わせ、セラドンとアストレの章を出版

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執筆者

Yasuhiro Togawa