<始まりは大阪在住の欧州人たち>
今から14年前の1994年、関西空港開港に活気づく中、大阪に初の国際映画祭が誕生しました。発起人はフランス人監督で現実行委員長のパトリス・ボワトー、そして企画の中心になったのはベルギー・フランドル交流センター、大阪ドイツ文化センター、日本・スペイン文化経済交流センターなど、大阪在住のヨーロッパ人達です。「日本の映画ファンのために、現代ヨーロッパの映像を紹介する映画祭を大阪で」という熱い思いが、多くの人の心を動かし、「日本で外国人が映画祭を立ち上げる」という難関を乗り越えて構想7年にしてようやく実現した大阪ヨーロッパ映画祭。今も、関西在住のヨーロッパ人たちが、映画祭を支える一つの柱となっています。また、この立ち上げに物心両面における援助となったのが、なんと『死刑台のエレベーター』や『地下鉄のザジ』等の作品で知られる仏映画監督ルイ・マル氏です。そんな不思議な運命をもつ大阪ヨーロッパ映画祭、ヨーロッパ映画界の驚くべき巨匠たちが名誉委員長をひきうけ、またゲストとして来阪してくれました! 関西在住の欧州人は、今も映画祭の大きな柱の一つとなっています。

<支えたのは大阪人の“粋”の精神>
今年15周年を迎える当映画祭は、幾度もの存続の危機を乗り越え、今では関西で最も歴史ある映画祭の一つとなりました。その成長を支えて来たのが、文化の担い手として古より活躍して来た粋な大阪人。毎回足を運んで下さる観客の方は勿論、大阪市を初めとした公的機関、及び企業、メディア関係者、そして幅広い年齢層のボランティアの存在があります。「映画が好き」、「国際交流に携わりたい」、華やかなイメージとは程遠い地味な活動に、草の根レベルでの協力がありました。大阪ヨーロッパ映画祭は沢山の人の気持ちに支えられた手作りの映画祭です。

<確かな眼で厳選された作品がラインナップ>
これまで100本を超えるヨーロッパ最新映画を日本初上映してきた当映画祭。商業ベースに左右されず、ヨーロッパの現在を伝え、芸術性と社会性にこだわるという一貫したスタンスで作品を紹介してきました。それゆえに、海外で高く評価されながらもこの映画祭でしか観ることのできない作品も数多くあり、関西のみならず、日本全国の映画ファンに注目されるフィルムフェスティバルとなっています。何百本というヨーロッパ最新映画の中から、その年の上映作品選び抜く実行委員長の「映画制作者」としての確かな選択眼は、常に時代の先をみつめてきたと言えます。
例えば、『彼女たち』(第4回OEFF)、『エブリバディ・フェイマス』(第7回OEFF)など、当映画祭での上映後に劇場公開が決定した作品もあります。また、昨年カンヌで話題を呼んだフランス映画『潜水服は蝶の夢を見る』も、第5回大阪ヨーロッパ映画祭(1998年)に、著者で主人公でもあるジャン=ドミニク・ボービー自らが登場し、『ベティ・ブルー』などの作品でしられる名匠ジャン=ジャック・ベネックス監督によるドキュメンタリー『潜水服と蝶』を上映しています。
今年はなんと9本のヨーロッパ最新映画日本初上映を予定していますが、どれも話題作ばかりです! 随時発表いたしますので、乞うご期待...

<舞台は大阪! 世界の映画人を身近に感じる国際映画フェスティバル!>
ミニシアター系の映画の多くは、東京から始まり大阪にやってくるのは数ヶ月後・・・上映されない場合もあるという状況で、大阪「が」初上映、それも単発でなく一挙に公開!!また、「映画を作る側と見る側の間に対話を」という意図で行われる上映会のあとのゲストとのディスカッション&サイン会、映画塾は、世界のトップレベルの舞台で活躍するゲスト達から直に話を聞き、問いかけることのできる貴重な機会です。
また、フェスティバルといえば、レッドカーペット! タキシードやイブニングドレスに身を包んだ来日ゲストが颯爽と歩いて行く姿がみられる華やかガラ・パーティーでは、招待客もめいいっぱいお洒落をしてひと味違う夜を演出します。さらに、一般の人も参加できるオールナイト・パーティでは、ゲストもリラックスして登場。ふと隣りをみれば!!なんてことも…。スターの来日も首都圏に集中しがちな昨今、まさに「舞台は大阪」なのです!

★第15回大阪ヨーロッパ映画祭公式サイト→http://www.oeff.jp/

執筆者

Naomi Kanno