フランス映画祭2008でも上映され話題を振りまいた、Bunkamuraル・シネマ20周年記念作品『PARIS(原題)』。『猫が行方不明』『スパニッシュ・アパートメント』『パリの確率』のセドリック・クラピッシュ監督最新作『PARIS(原題)』はお正月第一弾、Bunkamuraル・シネマほかにて全国公開する。
フランスを代表する国際派女優のジュリエット・ビノシュ、クラピッシュ作品の常連、ロマン・デュリス等豪華キャストが出演している。

【ストーリー】  
ピエールは元ダンサーで今は療養生活を送っている。心臓病で余命いくばくもなく、命を救うには心臓移植しか手段はない。彼は死に行く日々を、静かに過ごすことにする。アパートメントのベランダから見る風景は何も変わらない。
弟ピエールを案じて、同居を始めるエリーズ。向かいのアパートメントに住む、美しいソルボンヌの学生、その彼女に恋をする歴史教授ローラン、兄であるローランから「お前は、とんでもなく普通過ぎる!」と言われ、真剣に悩む建築家のフィリップ、エリーズに好意を持つマルシェの八百屋ジャン・・・。
死を意識しはじめたピエールは直接的な関わり合いを持たない、彼がただ眺めているそうした人たちの生活、街中で営まれている生活が突如として意味を持ち始め、それらの人々にも様々な哀しみや喜びがあり、たとえ彼らの抱える問題が些細であっても、本人にとっては世界で一番重要な事柄なのだということに気づいていく。
姉にアパートの玄関で別れを告げ、最期の場所となるかもしれない病院へと向かうタクシーの中からピエールが目にする、陽光に満ちあふれたパリの風景。そして、今、彼の目に映っているのは、パリの空。

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執筆者

Naomi Kanno