君が 僕の枯れた心に蒔いた しあわせの種
夏草薫るカンパーニュ。孤高の画家と、人生最後の刻を生きる庭師・・・
ふたりを優しく照らす、暖かな太陽の光。

『クリクリのいた夏』から8年……ジャン・ベッケル監督が、まばゆいほどの美しい自然の中で、ゆったり過ぎゆく時間と、いつしか忘れてしまっていた心の豊かさについて再び私たちに問う、珠玉の名篇を誕生させました。
 家族や仕事に恵まれながらも、家族の幸せさえ築く事が出来なかった孤高の画家(ダニエルオートゥイユ)。
小さな草木に愛情を注ぎ、その成長にささやかなしあわせを感じる余命幾許も無い庭師(ジャン=ピエール・ダルッサン)。老境に差し掛かったふたりが過ごす、人生の終焉
へと向う静かで穏やかな日々。
互いの名前を捨て、キャンバス、ジャルダンと呼び合うふたりに、やがて決別の時は訪れます…
 現代人の渇いた心に、本当の幸福の意味を鋭くついた本作は、フランスで4ヶ月間に
渡ってロングラン上映され、150万人もの観客を動員する大ヒットを記録。素朴だけど豊かな人生の価値観を再認識させてくれた、主人公ふたりの生き方が、人々の深い共感を得た証しとなったのです。

夏Bunkamuraル・シネマ他全国順次公開

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa