いよいよ8月8日(金)に開幕する北京五輪。開催前から様々な話題に包まれてきましたが、千葉劇場では8月9日(土)から開催記念特別番組として、昨年から今年にかけて公開された中国映画の名作、大ヒット作を連続上映します。
まず1本目は昨年の東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞した『1978年、冬。』8月9日(土)〜15日(金)上映。
文化大革命終了直後の地方都市に住む人々の姿を描いた感動の作品です。
2本目は『トゥヤーの結婚』8月16日(土)〜22日(金)上映。
言わずと知れた昨年のベルリン国際映画祭グランプリ受賞作品で、内モンゴルに住むトゥヤーが夫を連れて再婚するまでを描いた愛の物語です。
そして3本目は『白い馬の季節』8月23日(土)〜29日(金)上映。
『トゥヤーの結婚』と同じく内モンゴルが舞台。荒廃してゆく大地に住むある一家。遊牧生活を捨て、都会に移り住まなくてはならなくなるまでを描いた感動のドラマです。

『1978年、冬。』
文化大革命の大混乱が終わりを告げた1978年の冬。中国北部の小さな町西幹道に住む兄弟の前に、北京からひとりの少女が舞い降りた。少女の踊る姿を見て、18歳の兄は恋心を、11歳の弟は憧れを抱く。工場での労働をさぼり、ひとり外の世界への夢想を強くする兄、少女に絵を褒められいつの日か展覧会を開くのが夢の弟。そして肉親から遠く離れ孤独な心を持つ少女。次第に兄と少女は心をふれあわせるようになる。やがてふたりの秘密は大人の知るところとなり、弟は不良の弟として教室でひとりぼっちとなった。兄は兵役に応募。出征の日、父や母が見送る中、駅に少女の姿はない。しかし列車が走り出すと、兄は窓から身を乗り出してある場所を見つめていた…。

『トゥヤーの結婚』
砂漠化で荒野と化した中国内モンゴルを舞台に、生きていくため、そして半身不随の夫と家族への愛のために、あるユニークな離婚と再婚をすることを決心した、美しくたくましい女性トゥヤーの物語です。主人公トゥヤーの決断は、生きていくのが過酷な土地にあっても、愛とやさしさにあふれ、たくましく斬新で、自分の大切なものに向かってまっしぐらな女性像が見るものに勇気と温かさを感じさせてくれます。厳しい自然の中で力強く生きるヒロインを演じたのは、その美貌と演技力がコン・リー、チャン・ツィイーに続く中国出身の大型女優として注目を集めるユー・ナン。ウォシャウスキー兄弟の最新作『スピード・レーサー』(08)に大抜擢された。

『白い馬の季節』
中国・内蒙古自治区から、民族の想いを描いた名作が誕生しました。
モンゴル族のウルゲンは、昔ながらの遊牧生活を望んでいるが、草原は砂漠化が進み、わずかな羊の放牧すらままならない。定住を奨励する政府とは諍いがたえず、妻インジドマも切迫する生活を支えるために策を講じるがうまくいかない。そしてある日、ついにウルゲンは最愛の馬を売るために街に出る——-。
出演はモンゴル族の俳優ニンツァイとナーレンホア。前作で金鶏賞最優秀主演男優賞を受賞しているニンツァイは監督、脚本、主演の三役を見事こなし、ナーレンホアもプロデューサーを務めている。遊牧の民が現代に生きる姿を、美しく鮮烈な映像で描いた本作。

■半券割引実施!! 1作品ご鑑賞後、半券をお持ちいただくと他の作品が当日1,000円でご観賞いただけます。

★2008年8月9日(土)より、千葉劇場にて3作品連続上映!

執筆者

Naomi Kanno