エスピーオーは1日、シネマート六本木、同心斎橋での『靖国 YASUKUNI』上映中止にいたる経緯に関して、次の声明を発表した。
『靖国』の上映に関して、2007年7月に弊社担当者が試写会にて観覧後、弊社の企業理念「アジア映画を通して相互理解を」に基づき上映に相応しい作品として同作品の配給会社ナインエンタテインメントおよびアルゴ・ピクチャーズに上映の申し入れを行い、六本木、心斎橋での上映が正式に決定した。

2008年1月、他の劇場(新宿バルト9、銀座シネパトス、渋谷Q-AXシネマ)と共に配給会社主催の宣伝会議が開催された折、宣伝方針等に関して協議。劇場側の共通意見として、思想的な取り上げ方をする宣伝ではなく、一般映画と同様に、映画としての価値を伝える宣伝展開を依頼し、了承をいただいた。

3月12日、国会議員限定の試写会が開催され、マスコミの話題に取り上げられると共に、各劇場に上映に対する抗議の電話等が入った。再度宣伝会議において劇場側の依頼事項として、マスコミ等の試写会だけでなく一般のお客様対象の試写会等を開催し、映画そのもののお客様の評価を高める努力などによる「安全な上映環境の整備」を申し入れたが、具体的な回答をいただけなかった。その後、劇場に街宣車が抗議活動を行うなど上映中止の活動が活性化し、弊社を徐く他劇場が番組編成上の理由等から相次いで上映中止を決定した。

このような状況の中、弊社はあくまで上映に向け、他の上映作品のお客様に迷惑がかからないよう万全の状況を整えるべく、配給会社と誠意を持って検討を重ねてきた。3月31日、弊社と配給会社で上映に関しての検討を行った席上、弊社としては上映に向けた安全な環境作りという観点から再度一般試写会の開催による上映方法検討などの実施を申し入れたが、最終的に配給会社から弊社責任者に「試写会の開催は難しいので、上映を中止にすることで了承願いたい」という申し出があった。

上映中止の決定に関し、配給会社によるマスコミ発表にいたる経緯は前記の通り。
弊社としては、この発表にいたるまで弊社側から「上映中止」を配給会社に申し入れた事実はなく、あくまで上映に向けた検討を重ねてきた。結果として配給会社が中止を決定にするにいたったことは誠に残念であり、私どもも映画業界の一員として自らの力不足の責任も感じている。今後も配給会社と共に弊社の劇場における通常の上映が安全にできる環境が叶であれば、『靖国』の公開を希望する。

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