開校から11年。映画界に多数の人材を輩出してきたニューシネマワークショップが、『天然コケッコー』の山下敦弘監督、『狼少女』の深川栄洋監督をお招きし、監督育成について。アスミック・エース“宣伝のトップ”竹内伸治氏、トルネード・フィルム代表叶井俊太郎をお招きしての宣伝マン育成を目的としたセミナーを開催しました。
この日は募集人数を大幅に超える来場者。
夢を持った大勢の方で会場は熱気に包まれました。

日時:3月9日(月) 13:00〜15:00
場所:ニューシネマワークショップ

『映画監督をめざそう!』〜若くして監督になるには〜

2007年に公開された2本がどちらもキネマ旬報ベストテンにランクインし、今や押しも押されぬ若手のトップランナーとなった山下敦弘監督と、2005年に弱冠29歳で長編デビューし、その後も映画を撮り続けているNCW出身の深川栄洋監督をゲストとしてお招きした。
<ゲスト>
山下敦弘(映画監督)『天然コケッコー』『松ヶ根乱射事件』『リンダ リンダ リンダ』

深川栄洋(映画監督/NCWOB)『真木栗ノ穴』『アイランドタイムズ』『狼少女』

<進行>
武藤起一(NCW主宰)

Q.監督になったきっかけ
山下氏:卒業制作で映画を撮ったのがきっかけでした。

深川氏:NCWにいた時にぴあに入選し、これで監督になれると思ったんですがなかなかうまくいかず、再度自主制作で作品を作り、新たに挑戦しました。

Q.監督になったと思った時は?
山下氏:今までスタッフもほとんど仲間で映画を撮っていたので、『リンダ リンダ リンダ』で、初めて「監督」と呼ばれたので(笑)プロの監督になったと自覚しました。

深川氏:それまで何本か自主制作で作品を作ったんですが、きちんと監督としての流れをつかむために、自分で会社を興し、映画を撮りました。

Q.監督のおもしろさとは?
山下氏:大変なことも多いが、現場の中で大勢のスタッフとキャストの中、自分がその中の一部になれていると思うのが快感です。

深川氏:撮影の時は周りの目が気になって苦痛です(笑)脚本を書いたりする準備期間や、作った後の達成感があるからやっているのかも。実は、毎日が大変で楽しいなんて感じたことなんてないです。日々プレッシャーです。

【質問タイム】

Q.卒業制作にかかった時間は?
山下氏:大幅には3ヶ月ぐらいだが、音楽をつけたりという部分は卒業してもやっていました(笑)

Q.作品の良し悪しを見極める目を養うためにやったことは?
山下氏:映画を観ること。お笑いなど(コント)いいと思います。アルバイトの最中に人を観察していたのもよかったのかもしれません。

深川氏:やっぱり映画を観ることですね。あとは実家が人の出入りが多かったので自然に大人の観察はよくしていました。この芝居は違うと言えるようになるには、訓練が必要だと思うので、それは日々勉強ですね。

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日時:3月9日(月) 16:00〜18:00
場所:ニューシネマワークショップ

『映画宣伝をめざそう!』〜優秀な宣伝マンになるには〜
驚異的なヒット率を誇る配給会社、アスミック・エースの“宣伝のトップ”竹内伸治氏と、「アメリ」以来独自の宣伝スタイルで異能ぶりを発揮し続ける叶井俊太郎氏をゲストに迎え、各々の宣伝論を戦わせる初の試みとなった。

<ゲスト>
竹内伸治(アスミック・エース 常務執行役員)
叶井俊太郎(トルネード・フィルム代表)

<進行>
武藤起一(NCW主宰)

Q.宣伝の方法とは?
煽って、大きくして大々的に宣伝するのも方法だし、作品によっては妄想を膨らませる宣伝の方法もある。だましてもいいからヒットさせたいという宣伝マンもいるが、だまさないでヒットさせるのが一番。そのためにはきちんと中身を売ることが大事。

Q.宣伝マンに向いている人とは?
まずは自分が一番何をしたいか、自分の得意なことがわかっている人。自分の不向きなことを補える人。それがわかっている人が宣伝に向いている。

Q.宣伝マンとして一流になるためにはどうすればよいか
プレスに作品の素晴らしいところや、映画に対する思いを書き、媒体に送っていた。一人でも観て欲しいというエネルギーを伝えることが必要。ちゃんと読んでもらえるにはどうしたらいいのかを、常に考える。

Q.どんな資質が必要なのか
宣伝プロデューサーは最初からゴールを見据えることが重要だが、パブリシストはまず目の前の事をどうしていくかを考えられることが必要。

【質問タイム】

Q.映画オタクは就職できないのか?
映画が好きとか、オタクとか、そういうのは関係ない。
この人と仕事したいかもと思う、そういうその人の魅力が欲しい。
自分がどんな人間なのか、自分の魅力はどんなところなのかを分析するのが大事。

Q.今後のWEB宣伝はどうなるのか?
今は新聞よりもネットをメインで広告することが重要になっている。
しかし、映画を分析することが大事であって、そのターゲットに合う宣伝が何なのかを考えるのが必要。

■ニューシネマワークショップとは
映画という仕事に携わりたい人を育成するスクール。
11年という歴史の中で、NCWを終了した数多くの卒業生が映画業界で活躍、映画業界で圧倒的な実績を誇ります。プロと同じシステムに準じた、徹底した実践で即戦力を育成。
講師は現役で活躍中の映画人のため、生きたレクチャーから多くのことを学べます。
現在、ニューシネマワークショップでは、2008年度前期コースの受講生を募集。
詳しくは、HPまで。
http://www.ncws.co.jp/index.html