雑誌「weeklyぴあ」(2月14日発売 2/21号)の調査による、2月9日公開の満足度ランキングによると、映画「君のためなら千回でも」が同日公開の「チームバチスタの栄光」「L change the WorLd」「潜水服は蝶の夢を見る」などの他10作品を押さえ、トップに輝いた。

「君のためなら千回でも」は、「チョコレート」「ネバーランド」などの名匠マーク・
フォースター監督が、全世界で800万部以上を売り上げ、世界を感動の涙で包み込んだ小説「The kite runner」を映画化した感動作。

日本では、あまり知られていない1970年代から現代までのアフガニスタンを舞台に
過酷な運命に翻弄された二人の少年の年月が描かれている。9.11から6年たった今、一般の人々からは話題の遠くなっているアフガニスタンだが、この映画を通してアフガニスタンの事を深く知る事が出来ると、再び注目を集めている。

初日に来場した観客からは、「友情がメインだが、背景にアフガニスタンの様子を映し
出している。タリバン発生の前後が比較されてよく分かった。仲の良い少年ふたりの姿がラストまで余韻として残った」という感想が聞かれた。

また、本作の原作が全世界でベストセラーとなった要因とも言える、物語全体に流れる
人間の普遍的なテーマ「友情、家族、取り返しのつかない過ち、償いの愛」などを扱っている事から、「主人公が複雑な状況の中で、最後には友情に応えることが出来て、感極まった。あくまで友達に尽くす姿勢に心を打たれた」「勇気を振り絞ることの難しさや、大切さを描いていて、胸に込み上げるものがあった。子どもの頃に出来なかったことを、大人になって果たした姿が印象的だった」といった声も聞かれた。

また本作では、熟練のキャストと共に、俳優経験の全くない現地アフガニスタンや中央
アジアの人々が素晴らしい演技を見せている。しかし、劇中のある1シーンの為に舞台となるアフガニスタン国内は上映が禁止されており、アメリカでの公開も延期をとなっていたが、先日1月12日に全米715館での公開となった。

また、こうした数々の困難にも関わらず、本作は英国アカデミー賞やゴールデングローブ賞、アカデミー賞でもノミネートされるなど作品自体への評価は非常に高く、今月24日のアカデミー賞受賞への期待も高まっている。

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