日本、韓国、台湾、香港、中国、タイ、イスラエル、インドネシア、フィリピンなどのアジア各国を始め、12カ国から集められたアジアン・クイア映画29作品が上映される、第1回AQFFが4月14日にいよいよ開幕した!

*クイアとは〜AQFF版解説〜
レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなどのセクシャル・マイノリティーたち、そして既成概念を壊し、軽やかに生きる人々のこと。

 下北沢のシンボルとして親しまれる“スズナリ横丁”の一角に位置する映画館、シネマアートン下北沢にて、2007年4月14日(土)〜4月20日(金)の一週間に渡り行われる第1回AQFF。
主役は日本、韓国、台湾、香港、中国、タイ、イスラエル、インドネシア、フィリピンなどのアジア各国を始め、12カ国から集められたアジアン・クイア映画29作品。これらの作品で下北沢の街を虹色に染め上げる本映画祭は、日本、そしてアジアにおけるクイアの歴史に新たなる1ページを刻み込む。

★アジアのクイア映画の現状
 昨今、欧米では、アカデミー賞監督賞を受賞し大きな話題となったアン・リーの『ブロークバック・マウンテン』を始め、『トランスアメリカ』や『キンキーブーツ』など、ハリウッド大作からインディペンデント作品まで多様な映画が作られ、日本でもロードショー公開されるようになってきている。それに比べると、アジア作品の現状はまだまだ発展途上にある。
 しかし、アジアン・クイア作品の状況にも変化が訪れつつある。2004年、台北で、たった4館で封切られた『僕の恋、彼の秘密』は、本国で異例の超ロングランとなり、大ヒットを記録。日本でもその翌年に公開され、単館上映ながらもリピーターが続出する人気だった。そして2006年、韓国で空前の大ヒットを記録した『王の男』がついに日本公開。これまで韓流華流ブームの追い風を受け、じりじりと蓄積されてきた「アジアのクイア映画」の需要も、ここへ来て一気に高まっている。AQFFは「アジアのクイア映画をもっと見たい!」という声を受けて、生まれるべくして生まれた映画祭と言えよう。
 
★注目のラインナップ
 ゲイであることをカミング・アウトした韓国初の映画監督イ=ソン・ヒイルによる初長編作品「悔いなき恋 -NO REGRET-」は、本国韓国でインディーズ映画としては異例のヒットを記録し、数々の動員新記録を樹立した作品。AQFFでは韓国映画界を騒然とさせたその話題作を日本初上映する。そして驚きの作品をピックアップするAQFFセレクション枠では、1979年に制作され、かの寺山修司さえをも唸らせた伝説の8ミリフィルム「錆びた缶空」を上映。空前の衝撃作「追悼のざわめき」を手掛けた松井良彦が監督を務め、「逆噴射家族」の石井聰亙が撮影を担当した本作は、カルト・ムーヴィーの草分け的存在。どちらも記念すべき第1回目に相応しい、必見の目玉作品である。
 その他にも、歴史あるL.A.の巨大LGBT映画祭”OUTFEST”で観客賞・審査員大賞をダブル受賞し、観客から熱い支持を得たファミリー・ドラマ「紅門 -べにもん-」、「僕の恋、彼の秘密」がスマッシュ・ヒットを記録した台湾から飛び出したハチャメチャおバカコメディー「ゴー!ゴー!Gボーイズ!」、ミュージック・ビデオ出身の監督がジェンダー役割を反転させる北京のアーティスト、タンタンを圧倒的な映像センスで描いたドキュメンタリー「タンタン」など、注目の日本初公開作品が目白押し。さらに、第56回ベルリン国際映画祭テディ賞を受賞した「マキシモは花ざかり」や、ハワイ国際映画祭でグランプリを受賞した「分かち合う愛」といった、FILMeXや東京国際映画祭などの日本を代表する国際映画祭でも上映され、高い評価を獲得したクイア作品もセレクション。また、アジアのインディーズ作家たちを応援する意味を込め、自主製作作品を数多く集めた短編集ではドラマやドキュメンタリー、実験作品、アニメーション、ミュージック・ビデオなど、多彩なジャンルの個性的な作品たちが楽しめる。
 期間中は映画祭の楽しみの一つであるゲストの登壇や関連イベントも予定されており、アジアのクイア映画の魅力を存分に満喫できること間違いなし。2007年、満を持して誕生したAQFFを、心ゆくまで楽しんでいただきたい。

【アジアン・クイア・フィルム&ビデオ・フェスティバル・イン・ジャパン2007】
■会期: 2007年4月14日(土)〜4月20日(金)
■会場: シネマアートン下北沢 [http://cinekita.co.jp/]
■公式サイト: http://aqff.jp/
■主催・お問い合わせ: AQFF運営事務局
□TEL: 070-5465-2250
□E-mail: 公式サイトからメールフォームをご利用ください。