8月、シャンテシネ他全国順次ロードショーされる、フランソワ・オゾン監督最新作『ふたりの5つの分かれ路』のサントラが来る7月27日(水)にリリースされます。

◆◆◆『ふたりの5つの分かれ路』◆◆◆
【音楽】フィリップ・ロンビ
『クリミナル・ラヴァーズ』(99年)、『まぼろし』(01年)、『スイミング・プール』(03年)に
続いて担当。今回はオリジナル音楽だけでなく、既成のヒット曲をテーマ曲のように印象的に配し、エビソードとエピソードの橋渡しとして、また主人公たちの心理描写として大いに貨献している。その他の主な作品は、『世界でいちばん不運で幸せな私』(02年)『みんな誰かの愛しい人』(04年)など。

【イントロダクション】
婚約指輪をはめる前に、結婚指輪を外した後に———
あるフランスの夫婦の5つのエピソード

淡々と事務的に離婚の手続きをする夫婦。いまやどこにでもある風景だ。しかし、マリオン(ヴァレリア・ブルー二・テデスキ)とジル(ステファン・フレイス)は少し違った。その後、とあるホテルヘと向かい、何年かぶりに、しかし慣れた手順で互いの素肌に触れたのだ。けれでも愛の奇跡は起きることなく、やがて2人はわかりきった結末に、予想外の道筋でたどり着く。閉じられるドア、立ち去るマリオン。そしてそこから、2人の時計は左に回り、思い出のページは逆へとめくられる。——微かに感じていた不協和音がはっきりと聞こえた特別なディナー、分かち合うはずの喜びが曖昧に溶けていった出産、幸せに酔いつぶれて小さな翳りを見逃した結婚、そして何の理由も根拠もなく真っ直ぐに恋に落ちていく瞬間…。
 それは、ある男女の人生における5つの重要な瞬聞であり、夫婦の愛の行方を占う5つの分かれ路だった。ほんの少しのかけちがいが、埋められない溝になっていくこともある。「あの時ああ言っていたら」「あのときこうしなければ」後悔は先にたたない。しかし彼らは間違いなく愛し合い、明るい未来を信じていた本当のカップルだった。大切なのは別れという結末でぱなく、ふたりが愛の一部始終を経験したこと。たとえ矢敗し、苦い経験になってもラブ・ストーリーはいつでもハッピー・ビギニングであることを忘れず、愛を信じることを肯定したい。