大のミステリー映画ファンも舌を巻くという空前のトリックが話題の『アイデンティティー』(監督:ジェームズ・マンゴールド)。その二転三転するクライマックスの醍醐味を満喫してもらおうと、”映画史上初”となる、エンディング直前に上映を中断し、来場者が真犯人当てを楽しむ推理ライブ試写会が、16日、中央区のソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントの試写室で開催された。クライマックスまで残り15分という時点で、さまざまな謎を残したまま映画は中断。試写室内に明かりがつけられると、女優・東ちづる(44)と作家・鈴木光司(47)が登場。テレビのサスペンスドラマでヒロインとして活躍する東とホラー・サスペンスなど幅広いジャンルのベストセラーを生み出し続ける鈴木は、来場者に真犯人を探り当てるためのヒントを示しながら、それぞれのユニークな名推理を披露した。特に東は、自分の”アイデンティティー探しを”テーマにした体験記『私はなぜカウンセリングを受けたのか 「いい人やめた!」母と娘の挑戦』を1年前に上梓していることもあり、或る登場人物のアイデンティティー崩壊がトリックのカギとなっているこの作品の見所を強烈にアピール。「いまは結婚して幸せだけれど、これまでなかなか結婚に踏み切れなかったのは、自分のアイデンティティーに自信がもてなかったから」と意外な結婚の裏話も披露した。いつも人を怖がらせる本を書いているがこの映画には何度も恐怖を感じたという鈴木は、「意外な結末に驚いたけれど、トリックのタネ証しはちゃんと映画の随所に描かれている。それを確かめたい人は何度も映画館に通ったほうがいいですよ」と作品のクオリティーの高さに驚愕していた。

『アイデンティティー』
10月25日よりニュー東宝シネマほか全国東宝洋画系にてロードショー
配給:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント

▼作品紹介
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=3837