速報!
第59回ヴェネチア国際映画祭
アップ・ストリーム部門グランプリ(サン・マルコ賞)受賞!
田壮壮監督作品
「小城之春」(原題)

 「青い凧」(93年)で東京国際映画祭グランプリを受賞した田壮壮監督が7年ぶりに着手したのは、中国映画史上初となるリメイク作品だった。田壮壮が選んだのは、費穆(フェイ・ムー)監督が1948年に発表した『小城之春』。新中国成立直前の小さな町に生きる人々の不安と倦怠に、人妻の密やかな恋情を絡めて描いた心理劇で、張芸謀監督が、「中国映画のベスト1」として挙げたこともある作品だ。田壮壮は、21世紀版「小城之春」製作にあたり、国際的に活躍する強力スタッフを結集させ、5人しか登場しない登場人物には、舞台出身の実力派キャストをそろえた。
製作は第五世代の紅一点、李少紅(監督作品「紅おしろい」)。脚本は陳凱歌監督の「子供たちの王様」の原作者で中国現代文学の旗手、阿城。撮影は「花様年華」「夏至」の李屏賓(リー・ピンビン)。そして衣装は「グリーン・デスティニー」でオスカー受賞者となった香港の葉錦添(ティン・イップ)が担当している。
主要登場人物は全篇を通して3人。ヒロインの旧家の若奥ユイウェンには、舞台女優としてのキャリアを持つ胡靖_(フー・ジンファン)。ユイウェンのかつての恋人で、上海からやってくる医者チーチェンに《北京舞台王子》として人気の高い辛柏青(シン・バイチン)。ユイウェンの夫リーイェンには、『人間四月天』、『乱世英雄呂布韋』など中国の大河ドラマに出演している呉軍(ウー・ジュン)。ほとんど3人だけで繰り広げられる、濃密な精神的三角関係を、圧倒的な緊張感の中で演じている。

なお、田壮壮監督は、この作品を中国映画の先駆者に捧げている。

2003年日中平和友好条約締結25周年記念
Bunkamuraル・シネマ他、全国順次ロードショー

配給:大映株式会社