★第351回現代中国映画上映会
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●上映作品:劇映画《雲南物語》
1993年北京映画制作所・香港仲盛電影製作公司共同制作
35mmカラー・ビスタサイズ
日本語字幕スーパー 100分         
監督:張暖忻
脚本:脚本:田笙、解[女亭] 撮影:撮影:王小列
主演:呂秀齢、濮存[日斤]、林建華、盧秀瓊
●上映日時:4月18日(木) 午後6:55〜(開場は6:35)
●上映会場:シビックホール(文京シビックセンター内=小ホール)
営団地下鉄丸ノ内線・南北線 後楽園直結
都営地下鉄三田線・大江戸線 春日駅1分
JR中央線水道橋駅8分
●会 場 費:1200円(会員)、1500円(非会員)
(入会金:500円——その場で入会可、1年有効)
100円引きになる会場費割引券をご利用下さい。
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【ものがたり】
これは戦争に翻弄され、旧満洲から遠く雲南にたどり着いた日本人女性の数
奇な運命を描いた真実の物語である。
今から五十数年前、中国に侵略した日本軍は、敗戦に当たって大量の日本人
を現地、特に旧満洲地区に置き去りにした。その中心は女性と子供であった。
現在にいたるまでその処理が問題になっている『残留孤児』『残留婦人』はこ
うして発生した。
旧満洲に両親と共に渡っていた岐阜県出身の加藤樹子は、逃亡した日本軍に
見捨てられてしまい、混乱の中、気がついたときにはたった一人中国に取り残
されてしまっていた。言葉も地理もわからず異国で途方に暮れているところを
雲南省のハニ族出身の軍人カサが助けてくれた。
日本に帰国することもできず、看護婦として中国に残った樹子はある日、病
院でカサと劇的な再会をした。身寄りのない中国でカサと一緒に生きていくこ
とを決意した樹子は彼の故郷、遠く雲南省まで旅して一緒に帰ることになった。
大旅行の末、ようやく雲南にたどり着いたものの、カサは長旅の疲れから持
病が悪化していた。故郷の雲南に帰って安心したのかあっけなく亡くなってし
まった。しかし、樹子のお腹の中にはカサの子供が宿っていた。しきたりに従
い、樹子は弟のカルオと再婚することになった。
不思議な原始的風習が色濃く残る雲南の少数民族地区では近代的医療などあ
るはずもなく、看護婦としての経験を生かすことができた樹子は、たくさんの
妊婦と子供を救い、現地の人々にとけ込んでいった。
文化大革命では日本のスパイの疑いをかけられ辛酸をなめたが、毅然とした
態度で紅衛兵をはねつけ、なんとか無事乗り切ることができた。そんなある日、
日本のテレビディレクターが突然村を訪ねてきた。偶然、日本人によって『発
見』された樹子は両親が日本で健在なのを知り、ついに日本へ一時帰国できる
ことになった。
何十年ぶりかで一時帰国した日本の故郷の人たちは樹子を暖かく受け入れて
くれた。両親と想い出深い時を過ごした樹子は、自分の居場所は雲南だと確信
し、夫と子供たちが待つ家へ帰っていくのだった…。

【かいせつ】
この物語は、数奇な運命をたどった一人の日本人の真実の物語をもとに描か
れた作品である。もちろん登場人物の名前や出身県などは変えられているし、
相当な脚色が施されてはいるものの、基本的なストーリーは事実そのものであ
る。日本が起こした侵略戦争に翻弄された庶民の姿を描いた映画として記録さ
れていいものである。
主人公の加藤樹子を演じている呂秀齢は、台湾出身の元アイドル女優。日本
映画や香港映画にも多数出演しているほか、最近では琵琶の名手として数枚の
アルバムを発表している。また、最初の夫に扮する濮存[日斤]は《乳泉村の子》
などでもおなじみである。樹子の2番目の夫を演じる林建華は台湾出身の俳優
で、陳凱歌監督の《花の影》にも出演している。
この映画で描かれる美しくも厳しい雲南の自然と、数十年前まで残されてい
た奇習は一見に値する。なお、日本での撮影は岐阜県郡上郡で行われた。

【張暖忻(チャン・ヌァンシン)監督について】
 1940年〜1995年。1981年に《沙鴎》でデビューした第4世代に属する女性監
督で、その他の代表作には《青春祭》(1985年)、《おはよう北京》(1990年)、
《南中国1994》(1995年)などがある。この映画が日本で初公開される直前
の1995年5月、膵臓ガンのため惜しまれつつこの世を去った。

上映作品のスチール写真などは次のページをご覧下さい。
http://www.parkcity.ne.jp/~gentyuei/future.htm#020418

★★★今後の上映予定★★★

 4月18日(木) 18:55〜 《雲南物語》(張暖忻監督)
 5月18日(土) 18:55〜 《戦火の絆〜天若有情Ⅲ》(劉徳華主演)
 6月22日(土) 18:55〜 上映作品未定(1作品上映)
 7月27日(土) 18:55〜 上映作品未定(1作品上映)
 8月31日(土) 10:00〜 上映作品未定(2〜3作品上映)
 9月28日(土) 18:55〜 上映作品未定(1作品上映)
10月12日(土) 18:55〜 上映作品未定(1作品上映)

ビデオ上映会を除き上映会場は文京シビックホール(小ホール)になります。
文京シビックホール(文京シビックセンター)の地図は次のアドレスをご覧下
さい。 http://www.parkcity.ne.jp/~gentyuei/civic.htm
ビデオ上映会は文京シビックセンター地下2階の会議室で行います。

以上

現代中国映画上映会 gentyuei@parkcity.ne.jp
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