『ボンベイtoナゴヤ』
1997年／インド映画／ヒンディ語／カラー／シネマスコープ／110分／RBM製作
配給：シネマスコーレ　＋　スローラーナー

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インドといえば、カレー。
インドといえば、ゾウ。
インドといえば、ヨガ。
そんなインドで政治よりもエラいもの。
それは、映画。
そして、そんなインド映画界が次なる舞台に選んだのは名古屋。

インドでは年間700〜800本もの映画が生み出されている。こうなるともうハリウッド
級。インド映画界はハリウッドをもじってボリウッドと呼ぶそうな。これはもちろん
ボンベイとハリウッドを合わせた造語。そんなインド映画界が選んだ舞台は、名古屋
だったのだ。

インド映画はダンスが命。
アツアツの恋人たちが、ここでもそこでも踊る踊る！
名古屋の町は、一面の愛。
交差点も、横断歩道も、デパートの屋上さえも、すべてが愛の舞台！

ボンベイの青年ビジャイは正義感の強い警察官。上官である父とともに、密輸組織の
摘発に腕を発揮したり、警察の式典で出会ったダンサー・ソナと恋に落ちたりする
日々
。ところがギャングの罠がビジャイの両親に・・・。復讐を誓うビジャイは両親の仇
であるギャングを追い、遂に海を渡って日本の名古屋へやってくる。ソナもまた偶然
ダンス公演で名古屋へ・・・。
インドからやってきたカップルが名古屋の町なかで、熱いダンスを繰り広げる話題の
マサラムービー『ボンベイtoナゴヤ』。
アツアツのカップルは、交差点で、横断歩道で、公園の植え込みで、電車の中で、デ
パートの屋上で、とにかく踊る。
「立入禁止」の看板なんて関係ないね。

日本（ナゴヤ）でギャングといえば、ヤクザでしょう。
日本（ナゴヤ）で速いといえば、新幹線でしょう。
日本（ナゴヤ）で清流といえば、長良川でしょう。
それでは、全部取り入れましょう。
無茶は承知。
ヤルといったらヤルでしょう。

ヒーロー、ビジャイを演じるアニル・バクシーは、インド映画の俳優をしながらも、
1年のおよそ半分を名古屋で暮らすインド人。日本も名古屋も大好き。でも故郷イン
ドでは名古屋が全く知られていないことに愕然。「大好きな名古屋を世界に知らしめ
たい」。夢を夢のままで終わらせることができない性分のアニル・バクシー氏。早速
アクセスしたのは、以前インドのテレビドラマで主演を演じたときの、チャンチャ
ル・
クマール監督。ヒロインには子役出身の美人女優プリヤンカが抜擢。こうして壮大な
計画が決行される。
動機が動機なだけに、困難を極める撮影現場。だって、日本の文化や、名古屋が誇る
すべてのものを映さなくちゃいけないもの。
そんな愛に溢れた映画ですから、無謀なダンスを繰り広げるわ、ヤクザは紋付き袴で
刀を振りかざすわ、インドのギャングは指を詰めるわ、東京だって言ってるのに名古
屋だわ、制限速度内でカーチェイスするわ、インド撮影舞台は日本語が解らないフリ
して無許可で撮影するわ、とにかく傑作。唯一の心残りは走る新幹線に空中からヘリ
にて着地。新幹線って時速何キロで走ってましたっけ？こればっかりは賢明なJRの反
対によりやむなく断念。名古屋のおまわりさんまでもが介入した映画が遂に完成。果
たして結末はいかに？？？

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