『憲兵と幽霊』
1958年/75min/新東宝/新東宝スコープ/モノクロ

<INTRODUCTION>
第二次大戦時の、憲兵が起こした殺人の悪行と、幽霊が憲兵を追いつめていくさ
まを描いた怪談劇。後の『東海道四谷怪談』『地獄』で良心の呵責や、罪の意識な
どを抱えた人物を演じることになる天知茂が、憲兵役で冷徹無情な悪役を演じてい
るのも見所の一つ。

<STORY>
田沢憲兵伍長(中山昭二)と明子(久保菜穂子)の結婚に嫉妬した上司の波島憲
兵将校(天知茂)は、機密書類の盗難の罪を田沢に被せ、銃殺の刑に処した。射手
の中に田沢の弟(中山昭二・2役)がいた。無実と呪いの言葉を叫ぶ兄を見て、田
沢の弟は憲兵を志願する。
波島は、国賊の妻となり生活に苦しむ明子に近づき、彼女を犯してしまう。書類
を盗んだ犯人は波島だった。書類を中国側の張覚仁に渡すため、渡航しようとする
波島に、田沢の霊がつきまとい始める。

<STAFF>
脚本:石川義寛
撮影:西本正
美術:黒沢治安

<CAST>
天知茂
久保菜穂子
中山昭二
三原葉