おしまいの日。
『おしまいの日。』
1999年/日本映画/カラー/ビスタサイズ/モノラル/上映時間119分
☆1999年モントリオール世界映画祭正式出典
☆2000年パームスプリングス国際映画祭正式出典
<INTRODUCTION>
なぜ夫婦というカタチがあるのだろう。なぜ夫婦というカタチにこだわるのだろう。
この映画は、ある2組の夫婦の物語。せつないまでに夫を愛しぬく妻・三津子(裕
木奈江)と、そんな妻を守るため、仕事に我を忘れるビジネス戦士の夫・忠春(高
橋和也)。そして、倦怠期に悩むもう1組の夫婦、久美(菜木のり子)と俊彦(金山
一彦)。
三津子は忠春の遅い帰りを、毎晩夕食も食べずに待っている。ことあるごとに忠春
の体を心配し、必死にいたわる三津子に忠春は苦痛を感じ辛くあたるようになって
いく。久美は自分達とは対照的な彼らを見て、羨ましく思うと同時に不安も募らせ
ていった。そんな時、三津子が妊娠。しかし、三津子は喜ぶ様子もなく、ある日、
突然消える。
「おしまいの日が来た」と書き残して…。原作は、新井素子。監督は、君塚匠。
<STORY>
大学時代に知り合い、結婚をした三津子(裕木奈江)と忠春(高橋和也)。甘い生活も
束の間、いつしか忠春は昼夜を問わず、二人の未来のため、三津子のためと仕事に
打ち込みだす。三津子はそんな忠春のために一生懸命、家事をこなし、帰りの遅い
忠春を何時になろうと夕食も食べずに待っていた。寂しい想いを日記につづりなが
ら。
夫・俊彦(金山一彦)との気ままな生活をしている久美(菜木のり子)。高校の時の友
人でもある三津子と久美は12年ぶりに再会した。会う機会を重ねるごとに、久美は
献身的態度の三津子と仕事熱心な忠春とを見て自分達とは対照的な夫婦関係を一方
では羨望し、また一方では不安にも思うのだった。
三津子は、忠春の過剰労働ともいえる毎日を心配し、いたわろうとする。しかし、
そんな三津子に忠春は苦痛を感じ始め、次第に三津子に冷たく当るようになり、時
には口論にもなった。それでも三津子は、忠春の体を心配し、段々とノイローゼの
ようになっていった。忠春と久美がその変化に気付き始めた頃、三津子が妊娠して
いることがわかった。忠春は子供ができたことを喜んだ。が、三津子は喜ぶそぶり
を見せないばかりか、精神だけが病んでいくようだった。
ある日三津子がいなくなった。日記に「おしまいの日が来た」と書き残して。
<STAFF>
製作:アーバン
企画・制作:パグポインド
配給:ビターズ・エンド
エグゼクテイブプロデューサー:本多良行
企画:畠中基博
原作:新井素子「おしまいの日」新潮社刊
プロデューサー:宮川健治、八木桂子
製作統括:畠中節代
脚本・監督:君塚匠
音楽:佐藤正治
撮影:前田米造
照明:加藤松作
録音:岩倉雅之
美術:斉藤岩男
<CAST>
美津子:裕木奈江
忠春:高橋和也
俊彦:金山一彦
久美:菜木のり子
岩松了
中村扇雀
山村美智子
ミッキー・カーチス
馬渕晴子
鈴木清順