マン・オン・ザ・ムーン
マン・オン・ザ・ムーン/MAN ON THE MOON
5月下旬 日劇プラザほか全国東宝洋画系にてロードショー
第57回ゴールデングローブ最優秀男優賞
2000年/アメリカ/上映時間:1時間59分/スコープサイズ/
ドルビーSRD/SDDS/日本版字幕:石田泰子/字幕協力:みのわあつお
<INTRODUCTION>
生まれてくるのが、早すぎた…。謎と伝説に包まれて、わずか35歳でこの世を去った
天才コメディアン=アンディ・カフマン
映画『マン・オン・ザ・ムーン』は、35歳でこの世を去ったアメリカの伝説の天才
コメディアン”アンディ・カフマン”の生涯にまつわる物語である。そして、わずか
な年月の間に、スターとしての頂点を極め挫折した早すぎた才能の軌跡を、たった一
人、彼を理解し、支え億けた恋人リンのまなざしから描いた、哀しくも切ない愛の物
語でもある。
「カッコーの巣の上で」(75)「アマデウス」(84)で2度のアカデミー賞に輝くミロ
シュ・フォアマン監督は、「ラリー・フリント」(96)でゴールデングローブ賞を受賞
した若手脚本家コンビ、スコット・アレキサンダーとラリー・カラズウスキーと組ん
で、コメディの天才ジム・キャリーを起用し、アンディ・カフマンがスタンダップ・
コメディーで注目を集め始めた頃から、伝説の死を遂げるまでの過激なジョークと、
数々の伝説に包まれた短くも類まれなる人生を見事に描き出した。
強豪ぞろいのオーディションを勝ち抜いて見事主役の座を射止めたジム・キャリー
と共演するのは、「カッコーの巣の上で」にも出演し、TVシリーズ「タクシー」では
アンディ本人とも共演しているダニー・デビート。彼は長い間苦労の絶えなかったア
ンディのマネージャー、ジョージ・シャピロを演じている。アンディの恋人リンには
「ラリー・フリント」「200本のたばこ」(99)等で注目を集める歌手のコートニー・
ラヴ。アンディと掴み合いになるプロデューサー、ジャックを演じているボブ・ズム
ダは、この映画のエグゼクティブ・プロデューサーの一人であり、実生活ではアンデ
ィの親友兼ネタ・ライターでもあった。映画では彼の役をポール・ジアマッティが演
じている。また「サタデー・ナイト・ライブ」で共演していた当時の仲間違が、多数
カメオ出演して映画を盛り上げ、ラスベガスの有名なラウンジ・シンガー、トニー・
クリフトンも実名で登場する。
加えてフォアマン監督は、製作チームに傑出したメンバーを集めた。アカデミー賞
の常連で撮影・美術をこなすアナスタス・ミチョス、プロダクション・デザイナーの
パトリツィア・フォン・ブランデンスタイン、編集のクリストファー・テレフセン、
リンジー・クリンクマンなど、細部にわたって神経を行き届かせるフォアマン・チー
ムとも称されるベテランを配し、本作に賭ける意気込みには、並々ならぬものが感じ
られる。
また映画のメインテーマには、R.E.M。のマイケル・スタイプが、尊敬するコメデ
ィアン・アンディに捧げた”MAN ON THE MOON”が使われており、サウンドトラック
もR.E.M.が初めて本格的に担当し、新曲も披露している。
いま、もし彼が生きていれば…そんな”夢”をスクリーンの上でかなえた『マン
・オン・ザ・ムーン』は、しかし、ただそれだけの映画ではない。多くの人に理解
されなくても、たった一人、愛する人の支えと微笑みがあれば、いつかきっと、想
いは報われる…信じることの素晴らしさ、愛の強さを静かに観客に語りかけてくる
。
劇場を後にした時、あなたはこう、つぶやくだろう…
やっぱり、人間っていいな、と。
<STORY>
カタカタと映写俄が廻りだし、スクリーンにモノクロ映像が映し出される…。
素晴らしい、この世界−そぞろ歩こう、玉に合わせて愛する人と歩げば、笑顔も広
がる空には星が、空には星がいっぱい 川には歌が、川には歌がいっぱい
どんな人の心も感謝しよう、この温かい世界にこの温かい世界に、感謝しよう
ありがとう、やさしくて温かい世界をありがとう 「This Friendly World」より
”さよなら”祭壇に映し出されたアンディの映像に合わせて、みんなが肩を組み歌
っている…涙をいっぱい浮かべながら。リンは、アンディのすべてを愛した。短い
ながらも波乱に富んだ時を思い出していた。アンディがどんなに理解されなくても
、笑顔を求め、月のように照らし続けた々との蜜月と離別の日々。リンだけが彼を
理解し、支え、太陽のように照らし続けた。
アンディは、一風、変わっていた…。普通の子供達が大好きな、ボール遊びやフザ
ケッコより、TVショーの物まねが好き。そして、何よりも人を笑わせるのが好き。
両親に叱られても決して悪びれず、弟妹達を観客に舞台を演じ続ける。”僕の芸で
、カーネギーホールの舞台に立つんだ…”アンディの夢は大きくふくらんでいった
。10数年後、各地のコメディ・クラブを転々とする、アンディの姿があった。しか
し、懸命に舞台を勤めても、お客にはまったく受けない。それでも彼の情熱は衰え
ることなく、次々と新しいネタを生み出し、しだいに観客の心を掴んでいった。そ
して、ついにチャンスが巡ってくる。彼のジョークとプレスリーの物まねが、有名
なプロモーター、ジョージ・シャピロの目に留まったのだ。こうして1975年、アン
ディはシャピロのマネジメントで、人気絶頂の生コメディ・ショー、NBCの新番組
「サタデー・ナイト・ライブ」に最初のゲストとしてTVデビューを果たす。まさ
にテレビが娯楽の王様として世界に君臨し始めた第1歩こそ、アンディのスーパ
ー・スターとしての第1歩でもあった。時にアンディ・カフマン、26歳。長い下
積みを経て握った、夢への切符だった。
彼はスターへの階段を上り始める。そして、アンディの人気を決定的にしたのが、
ABCの国民的番組「Taxi」の愛すべきキャラクター、ラトカ。1978年9月から83年の
7月まで放送されたこの番組が、同時に、彼の栄光と挫折も象徴することになる…
。
スーパー・スターとなったアンディだったが、心の中は満たされない。ひそかに
ヨガの教えを学び、精神の均衡を保ってはいたが、時代が追いつけないほどに進
んだ彼のパフォーマンスは、しだいに過激に、より本物らしくなり、家族や親友
さえも、見分けがつかなくなって行く。分身として生み出したトニー・クリフト
ンの暴走が始まったのも、この頃だった。人気の絶頂で、アンディは突然、男女
混合プロレスのチャンピオンを名乗り、悪役を演じ、観客を怒らせ、その早過ぎ
た才能は誰にも理解されなくなって行く。ただ1人、恋人のリンを除いて。それ
でも彼は突き進む。ついには、TVで喧嘩を仕掛け、番組を降板させられるなどの
事件を起こし、アンディは誤解と中傷に包まれて、しだいに忘れ去られようとし
ていた。ちょうどその頃、アンディはガンに冒されていることを知った。しかし
、リン以外は、家族すらも信じてくれない。深い絶望の中で、アンディは念願だ
ったカーネギーホールの舞台に立つことを決意する。すべてを自らの手で演出し
た、カーネギーホールの華やかなショー。来場者全員に振舞われたミルク&クッ
キーのプレゼント…。死期の近いことを悟ったアンディの、最後のパフォーマン
スだった。
1984年5月16圓。アンディは35歳の若さでこの世を去った…。
それから1年後−−−。場末のクラブで歌うトニー・クリフトンの姿があった。
それを見つめるリンの姿も。果たして、アンディは本当に死んでしまったのだろ
うか?
<STAFF>
製作総指揮:マイケル・ハウスマン
共同製作総指揮:ジョージ・シャピロ、ハワード・ウエスト、ボブ・ズムダ
製作:ステイシー・シェーア、ダニー・デビート、マイケル・シャンバーグ
監督:ミロシュ・フォアマン
脚本:ラリー・カラズウスキー、スコット・アレクサンダー
撮影監督:アナスタス・ミチョス
プロダクション・デザイナー:パトリツィア・フォン・ブランデンスタイン
編集:クリストファー・テレフセン、リンジー・クリングマン
キャスティング:フランシ−ヌ・メイズラー
衣装:ジェフリー・ガーランド 衣装
音楽:R.E.M.
<CAST>
アンディ・カフマン:ジム・キャリー
ジョージ・シャピロ:ダニー・デビート
リン・マーグリース:コートニー・ラブ
ボブ・ズムダ:ポール・ジアマッティ
メイナード・スミス(ABC重役):ヴィンセント・スキアヴェリー
ド・ウェインバーガー:ピーター・ボナース
スタンリー・カフマン:ジェリー・ベッカー
ジャニース・カフマン:レスリー・ライルス
クラブ経営者:ジョージ・シャピロ
ジャック・バーンズ:ボブ・ズムダ
本人自身がカメオ出演
ジェリー・ローラー
J.アラン・トーマス
ランダル・カーヴァー
ジェフ・コナウェイ
バド・フリードマン
メリル・ヘナー
ジャド・ハーシュ
キャロル・ケイン
デビッド・レターマン
クリストファー・ロイド
ローン・マイケルズ
ポール・シェーファ