この度、5月10日(金)公開となる水谷豊監督第2作「轢き逃げ -最高の最悪な日-」について、「ボヘミアン・ラプソディ」「アリー/ スター誕生」「ローマ/ROMA」など、アカデミー賞ノミネート作品のほぼ全作品に採用されている最新の技術、ドルビーシネマが日本映画において初めて採用される作品となることを発表いたします。
そして、新ポスターのビジュアル解禁も致します。

■邦画初のドルビーシネマ採用作品「轢き逃げ -最高の最悪な日-」
ドルビーシネマは、ドルビーラボラトリーズ社が開発した最新鋭のシネマフォーマット。
最先端の映像技術「Dolby VisionTM (ドルビービジョン)」と立体音響技術の「Dolby Atmos®(ドルビーアトモス)」を採用し、さらに究極のシネマ体験を実現するために最適化されたシアターデザイン(インテリアカラー、空間デザイン、座席アレンジメント)と一体となって、アクションやストーリーをより豊かに観客にお届けし、まるで作品の中にいるような没入感を実現。現在、11ヶ国(オーストリア、中国、フランス、ドイツ、クェート、オランダ、スペイン、UAE、イギリス、アメリカ、日本)の20の興行社でドルビーシネマは導入されており、累計210作品がドルビーシネマ作品として上映され、ハリウッドの主要スタジオ15社を含む、映画業界から絶大な支持を受けている。 日本においては、昨年11月にT-JOY博多に日本初のドルビーシネマがオープンし、続いて4月26日(金)今年GWにMOVIXさいたまにオープン。
この“ハリウッドクオリティ”のシネマフォーマットを「轢き逃げ -最高の最悪な日-」が日本映画で初めて採用したのは、水谷監督の「自分が体験した映像への驚きを、多くの人に届けたい」という思いからでした。きっかけは3~4年前に本作でもタッグを組む会田撮影監督がテスト用に撮った、最新技術であるHDR映像を見たこと。HDRとは、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略称であり、従来の映像より明るさの幅を表現できる技術で、まるで肉眼で見たかのような映像が目の前に広がります。その映像を見た衝撃は水谷監督の心に深く残り、これを多くの人へ届けたいと思う中で、HDR技術を活かしたドルビーシネマに出会い、その思いが結実しました。
すでにハリウッド作品を中心とした海外作品ではドルビーシネマをTジョイ博多で体験できますが、ただ一点、本来の意味での「没入する」為に邪魔になっているものが字幕。「セリフ」を読まなくてはいけないということで、映画の中にいるかのような感覚を削いでしまう側面もありましたが、日本映画のドルビーシネマ化ではその心配は無用。ドルビーシネマの凄みを本当の意味でわれわれ日本人に与えてくれるはずです。そして、それはリアルな日常性や人間描写がある映画であればあるほど、絶大な効果をもたらすことになります。まさに水谷監督がおくる「轢き逃げ -最高の最悪な日-」は日本映画としてのドルビーシネマに見事に合致した作品であり、“ハリウッドクオリティ”を余すことなく体感できる作品となっています。

■7人の人生がどう交差していくのか。新ポスター完成!
そして、新たなポスターも解禁!事件現場にたたずむ、被害者の父・時山の後姿のみであったこれまでのポスターから一転。まるで涙を思わせるようなエフェクトの中、否応なく事件に巻き込まれていく7人の表情が正面から描きだされています。
彼らは何を思い、どこへ進もうとするのか。それぞれの表情が示唆するものとは。水谷監督が描こうとしている“人の心の奥底”が露わになる、その一瞬を切り取ったビジュアルとなっています。そしてメインのコピーには「あなたはこの映画の罠に嵌る。」の文字が。水谷監督が仕掛ける罠とはいったい何なのか。マスコミ試写でも多くの人が口をそろえて、次の展開が読めなかったと話す「轢き逃げ -最高の最悪な日-」。劇場でその結末を目撃してください。

<監督・水谷豊コメント>
以前、会田撮影監督から見せてもらった最新鋭の映像のことが頭から離れず、「いつか日本でも」という思いを持っていました。その思いを叶えてくれるドルビーシネマに幸運にも出会い、この作品が日本映画初となることを嬉しく思います。
日本映画でもドルビーアトモスが導入されはじめ、本作のドルビービジョン採用から、ドルビーシネマの可能性を取り入れることで、日本映画の映像表現や未来が変わっていくと思います。観客も、より集中できる環境で映画を楽しめるようになれば、感じ方がより複雑になり、生々しく心に響くのではないかと期待しています。

<撮影監督・会田正裕コメント>
3、4年前にテスト用に撮ったHDR映像を、監督にお見せした時から“何かが違う気がする”と。当時からHDR映像技術に対して、すごく興味を持っていました。
普段の生活の中で、人は目と脳のセットで、ものを見ているのだけれど、暗闇の中で映画を観る時には、視覚的にあまり脳を使わずに観ている。ドルビービジョンは、肉眼で見るイメージの明るさなので、観客も、本物を見ているような感覚で、映画を観ることになる。3Dとは違って、いままで描き切れなかった深い暗部の表現をはじめ、作品世界に潜在的な幅を持たせることができるので、日常的な出来事を描いた本作には、非常にマッチしていると思います。

<録音・舛森強 コメント>
音が“居る”という表現ができる。音を点で飛ばすことができるので、音が“居る”という表現ができる。例えば、これまでは擬似的にしか飛ばせなかったヘリコプターの音が、ドルビーアトモスの表現を用いることで、観客に時間経過をナチュラルに伝えられる。水谷監督の映画って、時間経過が難しいんですよね(苦笑)。上からも音が鳴るので、高さを含む三次元的な空間を、観客に意識させることができる。イタリアンレストランのシーンで、秀一の倒錯した世界を表現する上でも、アトモスは大変有効でした。ワイングラスで乾杯してから、無音になり、婚約者の声が遠のいていく中に、いやな音を入れて、グラスの割れる音で現実に引き戻されるまでを、ぐるぐると音を回しながらドラマチックに表現できました。

<ドルビージャパン株式会社 代表取締役社長 大沢幸弘 コメント>
ドルビーシネマを採用いただいたことにより、水谷監督が追求されている「まるで肉眼で見たかの様な映像表現」と「より映画に集中できる環境」の実現に貢献できたことを非常に嬉しく思います。
今後もドルビーシネマの普及を通じて日本映画の発展に寄与してまいります。

【作品概要】
『轢き逃げ -最高の最悪な日-』
出演:中山麻聖 石田法嗣 小林涼子 毎熊克哉 / 水谷豊 檀ふみ 岸部一徳
監督・脚本:水谷豊  撮影監督:会田正裕  音楽:佐藤準
テーマソング:手嶌葵「こころをこめて」(ビクターエンタテインメント)