直木賞受賞作家:中島京子の小説 『長いお別れ』 監督:中野量太で映画化決定!
このたび、直木賞受賞作家、中島京子の「長いお別れ」(文春文庫刊)を原作とする映画『長いお別れ』を、アスミック・エース企画・制作・配給にて公開する運びとなりました。
原作は、「小さいおうち」で第143回直木賞を受賞した、中島京子の「長いお別れ」。認知症を患い記憶や言葉を失っていく自身の父親と暮らした日々の実体験をもとに、暖かく切ない筆致でつづった珠玉の作品です。第10回中央公論文芸賞、第5回日本医療小説大賞を受賞しています。
監督を務めるのは、初めての長編商業映画『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)が、日本アカデミー賞主要6部門を含む国内の映画賞計34部門を受賞した、中野量太。常にオリジナル脚本で独自の世界を創り続けてきた監督が「オリジナル脚本へのこだわりを簡単に捨てられた」と語るほど中島京子の原作に惚れ込み、初めて小説の映画化にチャレンジします。
認知症を患い、日々「父」でも「夫」でもなくなっていく元・中学校校長の昇平と、どんな時も家族に対して献身的な愛情を絶やすことのない母・曜子。そして人生において様々な岐路に立たされている二人の娘、芙美と麻里。彼らは日に日に遠ざかっていく父の記憶の中に、家族の誰もが忘れかけていた、それぞれの人生を生き直すために必要な、ある“愛しい思い出”が今も息づいていることを知る・・・。
父と過ごす、幸福で愛しい7年間の日々。これは、おかしくて、切ない、ある家族の愛の物語。
誰もが共感する家族の物語を世に送り出し続けてきた中野監督が、新たに描くのは、大切な人の顔や名前すらも忘れていく父と、その家族たちの7年間。その根底には、中野が常に描き続けてきた“人の尊さ”と“愛”があり、今や身近な病である認知症を、悲しいもの、つらいものとして捉えるのではなく、暖かな眼差しをもって優しさとユーモアたっぷりに描き、今までに誰も観たことのない作品を生み出すことを目指します。
刻々と変化する時代に、変わることのない大切なものを問う、観る者すべてに寄り添う感動作。
今最も新作が待ち望まれる中野監督が放つ、新たな家族の物語にぜひご期待ください。
本作は2018年8月末よりクランクインしており、9月いっぱいでクランクアップ予定。公開は2019年を予定しております。キャストに関しましては近日発表予定です。
また、本作はテレビ東京開局55周年記念作品として公開されることも決定しています。
映画『長いお別れ』作品概要
●クレジット
監督:中野量太
脚本:中野量太、大野敏哉
原作:中島京子「長いお別れ」(文春文庫刊)
配給:アスミック・エース
製作:『長いお別れ』製作委員会
公式サイト:http://nagaiowakare.asmik-ace.co.jp/
公式Facebook : https://www.facebook.com/nagaiowakaremovie/
公式twitter: https://twitter.com/nagaiowakare_mv
クレジット表記:(C)2019『長いお別れ』製作委員会 (C)中島京子/文藝春秋
●劇場公開
2019年 全国ロードショー
●監督・脚本: 中野量太
コメント
『長いお別れ』は、僕にとって初の原作を元にした映画になります。この本を読んだ時、オリジナル脚本へのこだわりを簡単に捨てられました。それくらい撮ってみたいと思えたし、僕の頭の中で面白くなる想像が、どんどん膨らみました。アルツハイマー型認知症を患った父を持つ家族の話なのに、何度も笑って、何度も優しい気持ちになって。僕が描きたい家族の映画がそこにありました。
納得の脚本に仕上がりました。そこに素晴らしい俳優陣が集まってくれました。認知症を扱った映画としては、今まで観たこともない作品になると思います。ずっと家族を映画で描いてきた僕の、また一歩進化した最高傑作を目指します。
プロフィール
1973年生。京都府出身。2012年、自主長編映画『チチを撮りに』(12)を制作、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭にて日本人初の監督賞を受賞し、ベルリン国際映画祭を皮切りに各国の映画祭に招待され、国内外で14の賞に輝く。2016年10月、商業長編映画『湯を沸かすほどの熱い愛』が公開。日本アカデミー賞主要6部門を含む、合計14の映画賞で、計34部門の受賞を果たすなど、激賞が相次いだ。独自の視点と感性で“家族”を描き続けている。
●原作:中島京子
コメント
『長いお別れ』は、認知症を患った父親とその家族を描いた物語です。認知症と聞くと、年老いた親が壊れていってしまうと身構える方が多いと思うのですが、発症してからが長いこの病気と向き合う時間は、ただつらいだけの日々ではなく、涙もあれば笑いもあります。家族にとっての大事な「別れの時間」だと、私は思っています。映画の中で、素晴らしい俳優さんたちが、どんなふうに演じてくださるのか、いまからとても楽しみにしています。
プロフィール
1964年生まれ。東京女子大学文理学部史学科卒業。出版社勤務を経て1996年、インターンシップで渡米、帰国後フリーライターになる。2003年、田山花袋「蒲団」を下敷きにした書下ろし小説「FUTON」(講談社文庫)で作家デビュー、第25回野間文芸新人賞候補に。2010年「小さいおうち」(文藝春秋社)で第143回直木賞を受賞、2014年山田洋次監督により映画化。同年「妻が椎茸だったころ」(講談社)で第42回泉鏡花文学賞を受賞。2015年「かたづの!」で第28回柴田錬三郎賞を受賞、「長いお別れ」で第10回中央公論文芸賞・第5回日本医療小説大賞をそれぞれ受賞している。