エミール・クストリッツァ監督の9年ぶりとなる最新作『オン・ザ・ミルキー・ロード』が9月15日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開致します。

カンヌ国際映画祭の最高賞・パルムドールを2回、ベルリン国際映画祭 銀熊賞、ベネチア国際映画祭 銀獅子賞を受賞と、世界三大映画祭を制したエミール・クストリッツアの9年ぶりの最新作である本作。監督・脚本だけでなく出演もつとめ、ヒロインに全世界で大ヒットを記録した『007 スペクター』(15)でボンドガールに抜擢された“イタリアの宝石”モニカ・ベルッチを迎えました。圧倒的なエネルギーと、予測できないストーリーで描かれる、戦争が終わらない国を舞台に、運命の出会いを果たしたミルク運びの男と美しい花嫁の壮大な愛の逃避行の物語。

先日エミール・クストリッツァ&ザ・ノー・スモーキング・オーケストラを伴って来日し、ライブと舞台挨拶を行ったクストリッツァ監督は、本作を「戦争を描く最後の作品」と発言。戦争の悲しさ・愚かさを描きながらも、その中に情熱的な恋、狂騒のダンス、温かいユーモアが詰め込まれた、エミール・クストリッツァの到達点と呼べる作品が本作です。
エミール・クストリッツァ監督作品のトレードマークと言えるエッセンスの一つが、”CGではなく俳優と同じように演技をする動物たち”です。本作でも、主人公・コスタの肩に乗り、ときに音楽に合わせてダンスを行うハヤブサや、共に戦地を駆けるロバ、コスタが出会うミルクを飲む蛇、ガチョウ、ヒツジなど、たくさんの動物たちが、CG無しで見事な演技をみせています。
中でも衝撃的なのは、物語中のとあるシーンで登場する300kgを超える大熊との共演。主人公・コスタが口移しで熊にオレンジを分け与えるシーンは、CGではないことがにわかには信じがたい映像となっております。
来日舞台挨拶を行った際、動物に演出をする秘訣について「俳優と同じように、食事をきちんと与えること(笑)」と冗談を言っておりましたが、ヴェネツィア国際映画祭出品時のインタビューで、監督は動物の演出について真実を語っています。
「友人に動物のトレーナーがいて、彼と一緒に、出演してもらう動物を選んでいます。」
熊との共演については、「撮影中だけ触れ合うのでは仲良くなることはできません。熊は今300kgぐらいありますが、80kgの頃から知っています。一緒に遊んで、一緒に転がって、何年もかけて仲良くなるのです。」
と、エミール・クストリッツァ以外の誰にも真似できない演出の秘訣を語りました。その他本作では、動物の動きが足りないと、撮影スケジュール3週間分の映像の撮り直しを行うなど、一切の妥協を許さない姿勢で撮影開始から完成までおよそ3年をついやしました。

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