©2017『ひかりのたび』製作委員会

この度、9月16日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開する『ひかりのたび』の予告編が一般解禁しました。
10年ほど前から中国資本による日本への不動産投資の話題を耳にし、とくに北海道の水源地を含んだ森林の買収が目立ち、目的は投資、居住、別荘など様々だという。その事実に切り込んだ本作。絵本「幼なじみのバッキー」で岡本太郎現代芸術賞に入選、監督自身が不動産ブローカーとして働いた体験を元に着想したというオリジナルストーリー。豊かな経歴から作品を生み出す新たな才能の商業デビュー作です。
長編映画初主演を果たしたのは、宮崎あおい、長澤まさみ、夏帆など多くの女優を輩出してきたティーン向けファッション誌「ピチレモン」の専属モデルを務めたネクストブレイク必至の若手女優・志田彩良。
本予告編では志田演じるヒロイン・女子高生の奈々の日常と、その父親で不動産屋の植田がやり手のブローカーとして暗躍する様が描かれ、父と娘の姿が対比するように映し出されます。あえてカラーを排したモノクロームの丹念な演出によって未来や過去、現実や空想ともつかない曖昧で不確かな映像世界をエモーショナルに表現します。
さらに本作の作家の横山秀夫氏を始めとする各界の著名人からも絶賛コメントも届きました。

≪各界から届いた絶賛コメント≫
地方と都会を、作為と不作為を、善意と悪意を、ビジネスバッグを持ったトリックスターがモノクロの糸で縫い上げてゆく。「心理劇」ならぬ「真理劇」。澤田サンダー監督、恐るべし、である。
横山秀夫/作家

誰かが一方的に喪失した世界のなかで、「他者」として生きるヒロインが、その逆説の中に、確かな希望を描き出す。あらゆる表現が「順接」としてしか語られない今、「逆説」としての映画をひさしぶりにみた。
大塚英志/漫画原作者(「多重人格探偵サイコ」)

大きな泥臭いお金の話を正直にしないで作られて来た、これまでの社会派映画の限界が、この映画で明らかになった。人間の営み(人生)のあらゆる場面に、こういう交渉ごとと掛け引きがある。企業で働き続ける人間にも企業(経営者)や上司、同僚との日々の掛け引きがある。幼い頃から、そういう親の姿を見ながら、子供は自分の人生環境を運命(与件(よけん)。既に与えられてしまったもの)として引き受けながら生きてゆく。
副島隆彦/評論家

里山の風景や、町の長の家訓、土地、それらは消滅しつつある日本の精神的原風景そのものである。成長し続ける経済という神話を盲信してきたツケが廻ってきたに過ぎない。虚無に満たされた者の身体は完全に糸が切れた凧のようで私たち日本人すべての象徴である。しかし、もう後戻りは許されない。ある男が言ったように、進歩という激しい強風に煽られ飛ばされていく歴史の天使を、いまや世界中の至る処で見つけることができるのだ。
ヴィヴィアン佐藤/美術家・非建築家

本音と建て前、世間体、協調性、金、憎悪。そんな煩わしさだけで構築されたような日常。結局、人はみな自分が一番かわいい。極端に言えば孤立を恐れない勇気の持ち主だけが幸せになれるのかもしれない。居場所は一つではないのだから。
森チャック/キャラクターデザイナー(代表作:「いたずらぐまのグル~ミ~」「汎用うさぎ」など)

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