(C)2016「幼な子われらに生まれ」製作委員会

数々のベストセラーを手がけている直木賞作家・重松清が1996年に発表した傑作小説「幼な子われらに生まれ」。『ヴァイブレータ』『共喰い』などの脚本家・荒井晴彦が重松と映画化の約束を交わし、その脚本が『しあわせのパン』『繕い裁つ人』などで幸せの瞬間を繊細に、丁寧に紡いだ映画で多くの観客の心に感動を届けてきた三島有紀子の手に渡り、ついに映画化が実現。
台本を重視しながらも、役者同士のその場面その場面での新鮮な感覚を大事にし、ドキュメンタリー手法を使った撮影で、実力派であり個性派であり、日本を代表する役者陣が見事にぶつかり合い、観る者さえも家族の一員であるかのようなリアリティーで物語に引き込んでいく。家族なのに、家族じゃない、異質な者同士。それでも大事にしたいと思う人と幸せを紡いでいく、哀しみと歓びを内包する人生賛歌を描いた作品です。

この度、原作者の重松清さんより映画『幼な子われらに生まれ』へコメントが届きました。

原作を書いたのは21年前でした。でも、映画は「いま」の物語になっていました。
それが原作者としてなによりうれしい。最高の勲章です。
三島監督はじめ、スタッフ、キャストの皆さん、ありがとうございました。
重松清(原作者)

『幼な子われらに生まれ』の映画化は重松さんにとって、長い歳月をかけて温め続けてきたものでした。
本作の原作小説を出版したのが1996年夏で、刊行してほどなく、脚本家の荒井晴彦さんに「よかったぞ」と褒められ、「映画にしたい」と言われたときのことを、重松さんは「うれしかった、ほんとうに」と振り返ります。その後、企画が動きだしては止まり、盛り上がりかけては萎む、というのを何度も繰り返しました。その中で重松さんは、自分に出来ることは、その後何度か別口から来た「テレビドラマに」というオファーを「この作品は荒井さんに差し上げたから」と断ることだけだったと語ります。そして21年もの歳月が流れ、荒井晴彦さんと三島有紀子監督の手によって『幼な子われらに生まれ』の映画化がついに実現しました。「難産のすえに子どもが生まれたようなものだ」と本作の映画化について重松さんは語ります。重松さん自身、この物語を執筆していたときに、二人目の子どもが奥様のおなかの中にいる頃で、「父」になる覚悟を自分自身に問いながら物語を綴ったといいます。21年の歳月を噛みしめながら観た本作の試写会で、「いま、映画にしてもらって、ほんとうによかった」と感じ、「原作が刊行された1996年よりも、ずっとリアルに、2017年の現実と響き合っている。21年の歳月が育ててくれた」と、今、本作が映画になることに大きな意味があると述べます。これから“公開”へ向けて日々成長していく本作に対し、「小さな、けれど確かな産声が、観てくださる人たちの胸に響くことを願い、祈っている」と本作へ込めた思いを語ります。

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