2016年1月より公開が決定したキム・ギドク監督の最新作『殺されたミンジュ』(原題One on One)の本ビジュアルが解禁となりました。長編20作目となる記念すべき本作は、第71回ヴェネチア国際映画祭の「ヴェニス・デイズ」部門においてオープニング上映&作品賞を受賞。第19回釜山国際映画祭、第15回東京フィルメックス(2014)、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015にて特別招待作品として上映されました。

観る者のアイデンティティを揺さぶる衝撃作!
キム・ギドクが放つモラルを超越したサスペンスフルな群像劇

カンヌ、ベルリン、ヴェネチア、世界三大映画祭を制した奇才キム・キドク。ドキュメンタリー映画『アリラン』(11)以降、取り憑かれたように新作を発表し続け強烈な個性を発揮している。それぞれのテーマは異なるが、通底しているのは、私たちに不条理を強いる世の中へのシニカルな社会風刺だ。『嘆きのピエタ』(12)、『メビウス』(13)などでは、人間の恥部をさらけ出すような生と性を生々しく描いた独自の美学を貫く問題作を発表してきた同監督、長編20作目となる本作は個人のアイデンティティを揺るがす濃密な群像サスペンスだ。少女殺人事件をめぐり、捕らえられた男たちと武装した集団、容疑者と被害者が入れ替わるスリリングな展開は、どんな人間でも加害者にも被害者にもなりうることを示唆し、それぞれの立場で抱える嘆きや闇を痛いほどに映し出す。本当の犯人とは?そして、本当に殺されたものとは?
常に映画と自分自身の人生が同調しているキム・ギドク監督が、少女の殺人事件をテーマに描いた謎に満ちた群像劇。そんな監督の孤高の生き様を象徴するかのような本ビジュアルができあがりました。

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執筆者

Yasuhiro Togawa