毎年のべ50万人を動員するといわれるサンディエゴ・コミコン。米カルチャー界最大のお祭りが今年は7月9日(木)〜12日(日)に行われた。開始当初はコミックやSF映画、ファンタジー映画のプレゼンテーションが中心だったが、参加者の増加と共にコンテンツの幅を広げ、46回目の開催を迎え今や全世界にアピールする文化発信の場として多彩なプレゼンテーションが行われている。

この世界最大のカルチャーの祭典で、今年の超目玉と誰もが認めるルーカスフィルムの『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のプレゼンテーションが現地時間7月10日(金)5:30 PMよりメイン会場であるホールHで超満員の6500名の観客を集めて行われた。24時間以上前からチケットを入手するために並んでいた観客の多くがコスプレ姿で参加、ジェダイやシス、ダース・ベイダーやストームトルーパーらお馴染みのキャラクターに加え、ヒロインのレイのコスプレ姿の観客も目立っていた。
この日の最大のサプライズは、世界初公開となる3分30秒のメイキング映像。ロケでもセットでも、CGやミニチュアに頼るだけでなく、実寸大のメカやクリーチャーを手間暇かけ、愛情をこめて製作している様が紹介されている。さらに、スタッフ&キャストの区別なく、誰もが撮影初日からこの作品に参加できたことの喜びと興奮を口にせずにいられない。 固唾を飲んで映像を見つめる6500人の観客は、誰もがこの記念すべき映像のお披露目に立ち会う幸運に恵まれたことに感謝していた。作り手も観客も、誰もが『スター・ウォーズ』を愛してやまない——それこそが、この作品が世界中から愛される理由であることを見事に証明した上映となった。

万雷の拍手に出迎えられ、監督のJ.J.エイブラムス、ルーカスフィルムの共同会長であり、本作のプロデューサーも務めるキャスリーン・ケネディ、そして共同脚本&共同製作のローレンス・カスダンが登壇。そしてヒロイン・レイ役のデイジー・リドリーに加え、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザックの3人の新キャストが登場した後新たな、キャストが紹介された。ダークサイドのキャラクターの登場である。それは同時に、カイロ・レンがダークサイドであることが遂に明らかになったということである。その役を射止めたのがアダム・ドライバー、そしてハックス将軍役のドーナル・グリーソンとキャプテン・ファズマ役のグウェンドリン・クリスティと共に登場。『フォースの覚醒』の悪役が初めて公式に紹介された瞬間となった。

そして最後のゲストの登場となった。キャリー・フィッシャーとマーク・ハミルに続いて3月の事故以来、初めての公式の場となるハリソン・フォードの名前がアナウンスされると、会場の興奮は頂点に達した。30年以上の時を経てルーク、レイア、ハン・ソロの3ショットが実現した映画史にとっても記念すべき瞬間となった。
さらに観客に対してのプレゼントとして、コンベンション・センター近くのエンバカデロ・マリーナ・パークでサプライズ・コンサートが用意されていたのである。6500人の観客とスタッフ&キャストは徒歩で会場まで移動。ジョン・ウィリアムズもコメントを寄せる中、サンディエゴ・シンフォニーによる屋外コンサートが始まる。花火も打ち上げられ、コミコン史上類を見ない『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のプレゼンテーションは終了した。

もはや“映画”という枠を越え、オリンピックやサッカーワールドカップと並ぶ世界最大のイベントと目される「スター・ウォーズ」。新たなる3部作の幕開けとなる『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の動きに世界が注目している。

≪主な登壇者コメント≫
【J.J.エイブラムス】
スター・ウォーズとコミコンは良い関係性なんだ。スター・ウォーズは、コミコンが始まった当初から参加していたし、自然とマッチするんだよ。今回、ここでファンと話しができ、彼らにサプライズゲストやストーリーを紹介できるのがとても嬉しいんだ。
このような映画の場合、いつも多くのビジュアルエフェクトとグリーンバックが使われるんだが、今回は、「本物」に感じられるような映画を作ることが我々のキーポイントだった。「本物」っぽく見せることは、「本物」じゃないと不可能だから、映画の中で多く使われているビジュアルエフェクトはあるものの、セット、キャラクター、小道具を実際に作り、ポストプロダクションでCGで作るものも、実際に俳優たちが体験できるロケーションやキャラクターとの接触を現場に提供した。そのことで、他にもっと重要なことに力を注げるようにしたんだ。ストーリーをより良くしたりやキャラクターをキャラを濃くしたりね。
すべてのプロセスがとにかくスリル満点なんだ!とにかく「スター・ウォーズ」を作っていることは、全てが普通じゃないんだよ。とにかく準備も、撮影も、インタビューもどの段階でも「スター・ウォーズ」の映画を作っている!っていうことがとにかく普通じゃないんだよ。本当にすべての段階が夢を見ているかのような感じだ!
手間暇かけて、愛情こめて作っているから、世界中から「スター・ウォーズ」が愛されているんだ。

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▼メイキング映像
https://www.youtube.com/watch?v=3yXSVtlKvs4

★備考(動画内でコメントをしている有名な人)
・45秒〜 マーク・ハミル:ルーク・スカイウォーカー
・1分47秒〜 ピーター・メイヒュー:チューバッカ
・1分59秒〜 サイモン・ペッグ:??
・2分23秒〜 ジョン・ボイエガ:フィン
・2分48秒〜 ドーナル・グリーソン:??
・2分59秒〜 オスカー・アイザック:ポー・ダメロン
・3分6秒〜 デイジー・リドリー:レイ

【ハリソン・フォード】
素晴らしい映画を楽しみにしている。私にとっても素晴らしい体験で、楽しい時間を過ごし、素晴らしいキャスト、スキルと才能があり、J.J.エイブラムスの野心、そしてオリジナルシリーズからの脚本家ローレンス・カスダンによる素晴らしい脚本があり、私はこの映画に関われたこと、そして皆さんにこの映画をご提供できることを大変誇らしく思っています。
彼ら(デイジー・リドリーやジョン・ボイエガら新キャストたち)はもう今まで知っていた人生はもう送れないよ。実は、デイジーとも真剣な話をして、彼女から、当時の体験は僕にとってどんなものだったのかと質問されたんだ。僕は、人生が変わることと、それに慣れることと、そしてその代わりに大きな喜びを得る事ができるようになると伝えたんだ。俳優は自身の周りの人生から多くを吸収していくのだが、今度は皆が自分を見ている中でどういう風に対処するかを考えなくてはならないんだ。だから、人生は大きく変わる。賢い彼らはそれもわかっているよ。

【アダム・ドライバー】
撮影中は自分が演じた「悪」や「邪悪なもの」についての会話はしてない。単に「悪」と「正義」の差をどう考えるが重要なんだ。そこがストーリーの大きなポイントなんだ。

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa