ジャン・ルノワール監督の名作『ピクニック』がデジタルリマスター版で待望の日本公開
印象派の画家、父ルノワールから受け継がれた美の真髄
画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの息子であるジャン・ルノワール監督の『ピクニック』は印象派絵画を越える美しさにあふれた奇跡の映画だ。人生に起こるドラマのすべてが40分に凝縮され、祝福に包まれたかけがえのない一日に胸が熱くなる。アンリ・カルティエ=ブレッソンやジャック・ベッケル、ルキーノ・ヴィスコンティら後の巨匠たちが助監督として名を連ね、当時ジョルジュ・バタイユ夫人であったシルヴィア・バタイユが映画ファンの心に永遠に残るヒロインを演じた。
戦後 70 年—数奇な運命をたどった奇跡の映画、
ジャン・ルノワール監督の名作『ピクニック』がデジタルリマスター版で待望の日本公開
1936 年に撮影され映画のプリントは完成を待つ前に大戦が勃発し、ドイツ軍によって破棄された。しかし、オリジナルネガはシネマテークフランセーズによって救出されていた。戦後、プロデューサーのピエール・ブロンベルジェはジャン・ルノワール監督の了承を得て編集、ついに 1946 年にパリで公開となる。こうして戦争の惨禍を超える幸運と情熱を得た至福の映画『ピクニック』。 さらに 2013 年、映画を救ったブロンベルジェ氏の娘とシネマテーク・フランセ
ーズによってデジタルリマスター版が完成。数奇な運命を経て、今年戦後 70 年を記念して日本でも公開となる。
6月 シアター・イメージフォーラム他全国順次ロードショー
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執筆者
Yasuhiro Togawa