作詞作曲家/シンガー/画家/映画監督/小説家/カメラマン、と多彩な顔を持ち異彩を放った才人セルジュ・ゲンスブール。1991年にこの世を去ってから20年を過ぎた現在もなお多くの人々を魅了する彼が、20代から60代まで40年に及ぶ期間の自身の内面を語る決定版ドキュメンタリー『ノーコメント by ゲンスブール』が2013年夏、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー。このたび、フォトグラファー・石田昌隆さん撮影による写真を使用したポスタービジュアルが解禁となりました。1988年5月20日、最初で最後の来日公演のために東京にいたゲンスブールに、石田さんが偶然道端で出会い撮影したという貴重なカットです。

その日、ソカ(ソウルとカリプソを融合したトリニダード・トバゴ発祥の音楽)のミュージシャン、アロウのインタビュー撮影で大崎のホテル、ニューオータニイン東京にいた石田さんは、撮影終了後、偶然ゲンスブールが歩いてきたのに遭遇。2日前に撮影の仕事でニューカレドニアから帰ってきたばかりの石田さんが丸暗記していたフランス語で「あなたの写真を撮らせてください」と声をかけると、ゲンスブールは快く撮影に応じたそうです。今回のポスターに使用されているのは、そこで6×6版で撮影された1ロール(12枚)のうちの1枚、この頃のトレードマークである無精髭にダンガリー・シャツをまとった当時60歳(!)のゲンスブールの姿を捉えたカットになります。

翌週に行われた記者会見のあと、石田さんがサインを求め群がる女性ライターたちとともにプリントした写真を渡すと、なんとサインする側のゲンスブールから「サインしてくれ」と言われたとのこと。そんなゲンスブール本人も認める写真を使用した、盗難必至!?のカッコ良すぎるボスタービジュアルになっています。

 
愛されたくないが愛されたい。
そう、それが私なのだ。

セルジュ・ゲンスブールがゲンスブールについて自ら語る
決定版ドキュメンタリー

作詞作曲家/シンガー/画家/映画監督/小説家/カメラマン、と多彩な顔を持ち異彩を放った才人セルジュ・ゲンスブール(1928/4/2-1991/3/2)。没後20年を過ぎてもなお、多くの人々を魅了する。今作は、ゲンスブールがテレビやラジオなどで語った発言から未発表のコメントまで、20代から60代迄40年に及ぶ期間のゲンスブールが自身の内面を語った録音テープを元に構成された決定版ドキュメンタリーだ。ブリジット・バルドー、ジェーン・バーキンをはじめ、愛娘シャルロット、バンブー、アンナ・カリーナ、ジュリエット・グレコ、ヴァネッサ・パラディなど“ゲンスブールの女たち”も彩りを添えている。監督は、旧ソ連のトランペッター、エディ・ロズナーについてのドキュメンタリーでエミー賞を受賞したピエール=アンリ・サルファティ。

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執筆者

Yasuhiro Togawa