樹海に消えた、悲しく切ない、そして凄まじいほどの純愛

男と女が純愛の果てに辿りついたのは、奇跡の命が宿る森だった
そして、そこで繰り広げられる、時空を超えた悲恋物語

私を好きにならないで、と女は言った。男はすべてを失ってでも女を守りたいと思った。何ひとつ思い通りにはいかない世の中で、純愛を貫こうともがき続けた二人は、幽玄なる富士山麓の樹海に分け入り、自らの生に決着をつけようとした。やがて二人の情念は時空を超え、彼らの人生に触れた者たちに不思議な縁をもたらす——。
万物の生命が生い茂るパワースポット、青木ヶ原を舞台に、魂を揺さぶる悲恋物語が誕生した。原作は、石原慎太郎の短編集「生死刻々」に収録されている一編。映画化にあたり、作者本人が企画、製作総指揮を手がけている。監督は、『秘祭』『俺は、君のためにこそ死にいく』でも石原と組んでいる新城卓。これまで様々な死のかたちを通して生を照射してきた最強のコンビが、年間自殺者が3万人を超える現代日本に、美しい“死に様=生き様”とは何かを問いかける。
キャストにも筋の通った俳優たちが揃った。樹海で命を絶った男の幽霊に導かれ、遍歴を辿っていく映画の語り手であるペンション経営者に勝野洋。妻子ある身でありながら恋に落ち、死してなお思いを遂げようとする男に矢柴俊博。男の愛に揺れる天涯孤独のヒロインに前田亜季。その他、田中伸一、石原良純、ゴリ(ガレッジセール)、二木てるみ、左とん平、渋谷天外、津川雅彦らが脇を固め、円熟した演技で物語にさらなる奥行きを与えている。

予告編::http://youtu.be/5lvPRF4j1Cs

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執筆者

Yasuhiro Togawa