・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「マスターズ・オブ・カット VOL.1 日本映画を斬った男 映画編集者・浦岡敬一の世界」
会期:2004年11月6日(土)〜26日(金)
会場:ポレポレ東中野
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★「映画編集の現在を問う!」山口 猛

 今、なぜ浦岡敬一、名編集者の作品を取り上げるのか。それにはここ数年急速に広まったデジタル化の波を考えなければならない。おかげで誰でも苦労せずに撮影が出来るし、編集に至ってはノンリニア編集が一般化し、アナログのシネテープは駆逐されようとしている。
 だが、操作さえ分かれば誰にでも出来ることは、誰にでも出来ないと同義であることに皆そろそろ気付き始めている。浦岡氏は1コマ、1/24秒のずれさえ見逃さない小津安二郎の修羅の目を、屈指の映画撮影理論家だった宮島義勇からはフィルムを切る自由を一身に背負い、一癖ある監督とミクロの世界で、時には大胆にカットを入れ替え、闘った。だが、最初の観客でもある編集者の行為は全て作品への奉仕であり、研ぎ澄まされた感性の刃を持った浦岡氏の華麗な作品群との出会いは、はからずも私たちの今日の映画のあり方を見直すことにもなるだろう。

【浦岡敬一(うらおか・けいいち)】プロフィール

山田洋次、大島渚、寺山修司、深作欣二など・・・日本映画の巨匠たちと格闘した映画編集者の全仕事に迫る

1930年、静岡県生まれ。1948年、松竹に入社。浜村義康に付き、小津安二郎監督作品などの助手を務め、1958年「人間の条件」で一本立ち。「馬鹿が戦車でやって来る」「青春残酷物語」「黒蜥蝪」等を手掛ける。1969年松竹を退社後、「愛のコリーダ」「東京裁判」「復讐するは我にあり」「ウルトラマン」「優駿 ORACIO’N」など幅広い作品を担当する。

【上映作品】
●人間の条件 第一部・純愛編/第二部・激怒編 ●青春残酷物語 ●太陽の墓場 ●乾いた湖
●馬鹿まるだし ●馬鹿が戦車(タンク)でやって来る ●霧の旗 ●ユンボギの日記 ●暖春 ●紀ノ川 ●黒蜥蜴 ●恐喝こそわが人生 ●少年 ●美空ひばり・森進一の花と涙と炎 
●書を捨てよ町へ出よう ●儀式 ●軍旗はためく下に ●青幻記 遠い日の母は美しく 
●十六歳の戦争 ●愛の亡霊 ●ウルトラマン ●復讐するは我にあり ●東京裁判 
●優駿 ORACIO’N

【トークイベント】

★「浦岡編集術と松竹大船」
○日時:11月6日(土)19:30 ○ゲスト:浦岡敬一氏、山田洋次監督 
○上映作品:「馬鹿まるだし」

★「映画編集の最前線 フィルムとデジタル」
○日時:11月13日(土) 19:30
○ゲスト:鍋島惇氏「華麗なる一族」「ゆきゆきて、神軍」
     掛須秀一氏「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」「あずみ」
     阿部亙英氏「バトル・ロワイアル」「美しい島 キリシマ」 ほか
○上映作品:「ユンボギの日記」

★「浦岡敬一、自作について語る」
○日時:11月20日(土) 19:30 ○ゲスト:浦岡敬一氏、佐藤忠男氏
○上映作品:「復讐するは我にあり」

【劇場ロビー展示について】

★《ノンリニア編集》を体験できます!

期間中の劇場ロビーでは、浦岡氏が編集を担当した映画の劇場公開用ポスターの展示、浦岡氏が愛用した35ミリフィルムの編集機の展示があります。その他、ローランド社(11月6日、20日18:50〜19:20)、アップル社(11月13日18:50〜19:20)による最新のノンリニア編集システム、編集ソフトのデモンストレーションを予定しています。

★《編集お悩み相談室》も開設します!

編集に興味をお持ちの方、デジタル編集を行う方へ朗報です!編集に関する疑問、質問にお答えする《お悩み相談室》を開設します。下記の公式ホームページのアドレスへお寄せ下さい。11月13日(土)トークショー後に、現役プロの編集マンが、あらゆる疑問にお答えします!
→ポレポレ東中野の公式ホームページへアクセス! http://www.mmjp.or.ne.jp/pole2/

■企画:日本映画・テレビ編集協会、マスターズ・オブ・カット実行委員会
■企画協力:ポレポレ東中野