『マイティ・ソー』シリーズのロキ役で大ブレイクし、現在“ポスト ジェームズ・ボンド”の最有力候補として世界中から熱い視線を集めるイケメン俳優トム・ヒドルストン他、世界的人気を誇る英国俳優たちが勢揃いし、SF小説の巨匠、J・G・バラードの原作を完全映画化した『ハイ・ライズ』が8月6日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次公開となります。

本作の舞台となる新築タワーマンション(=ハイ・ライズ)はラグジュアリーな内装や抜群の眺望のみならず、ありとあらゆる設備が整い、人々の生活の夢を具現化したかのような理想の住居空間。上階に行くにつれ住民が富裕層になっていく40階建ての高層マンションで巻き起こる、皮肉な現代社会のヒエラルキーの崩壊。パーティ三昧の贅沢な毎日を過ごしていたセレブたちが堕落し、じわじわと崩壊していく様子をミステリアスかつアーティスティックな映像美で描いていく。

本作をいち早く鑑賞した各界のトップランナーから、完璧なユートピアが音を立てて崩れていく謎めいた展開とヒドルストンの圧倒的なカリスマ性が光る、本作の謎と魅力をひもとく絶賛コメントが続々到着!

現在大注目のヒドルストンの魅力について、ライターの雨宮まみ氏は「トム・ヒドルストンが「最高の備品」の高層マンションだと!?」と意味深な言葉で絶賛しているほか、漫画家/コラムニストの辛酸なめ子氏は「この作品を観てから、タワマンが怖くて直視できません」、女装パフォーマーのブルボンヌ氏は「人間社会のグロい裏側」、社会学者の宮台真司氏は「渾沌こそがユートピアになる」と語るなど、本作が持つリアルタイムさを指摘。その他、ライターの萩原麻理氏、『FORZA STYLE』編集長/ファッションディレクターの干場義雅氏、作家の森博嗣氏や古川日出男氏、岩井志麻子氏、映画ライターのよしひろまさみち氏、音楽ライターの三田格氏が、それぞれの言葉で本作が持つ多面的な魅力を語ってくれている。

『ハイ・ライズ』に寄せられた絶賛コメント一覧(五十音順)

トム・ヒドルストンが「最高の備品」の高層マンションだと!?
閉ざされた楽園の崩壊は、なぜこんなに醜くて美しいのか。涎の出そうな映像美に陶酔する。
——雨宮まみ(ライター)

もともと理想郷という言葉も概念も、非人間的な管理社会を指していた。
それを突きつけられる映画だが、作品としては理想的な極上空間が約束されている。
——岩井志麻子(作家)

タワーマンションは現代のバベルの塔。
天に近付く程、内部は崩壊する天罰が・・・・・・。
この作品を観てから、タワマンが怖くて直視できません。
——辛酸なめ子(漫画家/コラムニスト)

目に美しい70年代デザインと、トム・ヒドルストン。
実は生々しい話なのに、彼だけどこか曖昧で酷薄なカリスマ感があってよかったです。
——萩原麻理(ライター)
階級社会の英国人が、「イギリスの歴史」をひとつのタワーに詰めて、上下にぎゅんぎゅんシャッフルしてしまった。呆気にとられる崩壊劇。でも、意外に爽快かも。
——古川日出男(作家)

上層階のシャイニーセレブの皆さん、「いい気味〜!」
人間社会のグロい裏側もトムのエロい肉体も、ぜーんぶ露わにしてもらいましょっ。
——ブルボンヌ(女装パフォーマー)

007のスーツをブラッシュアップしたようなスーツを着こなしたトム・ヒドルストンは完璧!
——干場義雅(『FORZA STYLE』編集長/ファッションディレクター)

クローネンバーグ作品を踏まえたベン・ウィートリーの映像はA級のブラック・コメディにビルド・アップされており、
クリント・マンゼルを軸にDAFやポーティスヘッドなど過去と現在を自在に引用する音楽も気が利いている。
——三田格(音楽ライター)

「未来の技術は、人が人でなくなることを可能にすることで人を解放する」という1960年代末の「マルクーゼのテーゼ」を体現した1975年の原作が、40年後に映画化される。
そこでは渾沌こそがユートピアになる。
——宮台真司(社会学者)

70年代後半、僕は建築を学んでいた。この映画の意匠やディテールは、懐かしく、ほろ苦く、覚醒的だ。こんな凄い映像を作り出せる才能に拍手したい。
——森博嗣(作家)

テーマは重厚……だけど、ロキ様が脱ぐ! 暴れる! くるう! 
英国男子好きにはテッパンのトム(ヒ)がマウンティング社会の狂気のサバイバーを熱演。
——よしひろまさみち(映画ライター)

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執筆者

Yasuhiro Togawa