このたび、ステファヌ・ブリゼ監督作品『母の身終い』が11月30日(土)にシネスイッチ銀座他にて公開されることが決定いたしました。
 
 48歳のトラック運転手アランは、出来心から麻薬の密売に手を出して服役。出所後、脳腫瘍に冒され闘病中の母イヴェットの家に身を寄せて、なんとか人生の再出発をしようとあがいていた。ふたりの間には長年にわたって確執があり、なにかとぶつかり合う。そんなある日、息子は、引き出しの中の書類を手に取って愕然となる。そこには、“スイスの施設で尊厳死”“人生の終え方を選択する”といった文章が書かれ、母のサインがあったからだ。イヴェットは自分らしく人生を終えようと決心していた。アランの心は激しく揺り動かされる。ふたりの残された時間は、あまりにも少ない。そしてついに母が旅立つ日がやってきた……。
 監督は、セザール賞3部門にノミネートされた『愛されるために、ここにいる』(05年)で注目を集めたステファヌ・ブリゼ。 
息子アランを演じるのは演技派として評価の高いヴァンサン・ランドン。母イヴェットを演じるのはベテラン、エレーヌ・ヴァンサン。

残された人生の時間がふつうの人より短い私にとって、主人公の究極の選択には心が揺さぶられました。
私はもっとジタバタするし、ジタバタして逝くのを見せることも私の役割だと思ってます。成熟したフランス映画に役者としておおいに嫉妬しました。
樹木希林(女優)

「命は誰のものか」と考えさせられた。
母と子の思いの違い。
最後に結ばれる絆が静かで美しい。
鎌田 實(医師・作家)

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=43836

執筆者

Yasuhiro Togawa