記憶に新しいハリウッド版リメイク「ドラゴン・タトゥーの女」そして、「007スカイフォール」の公開が控えている、今ハリウッドで目覚ましい活躍を遂げているダニエル・クレイグの最新作「ドリームハウス」がこの度、11月23日(金・祝)より全国公開の運びとなりました。
夢のマイホームと家族を守る為、問題に立ち向かう主人公に、ダニエル・クレイグ。

美しい妻役には、実生活でもダニエル・クレイグの妻である、オスカー女優レイチェル・ワイズが熱演。
そして奇怪な出来事の全容を知る謎の隣人にナオミ・ワッツと、ハリウッド屈指のスター俳優たちが出演している。
本作でメガホンをとったのは良質な人間ドラマを生み出すことでも知られているジム・シェリダン。
自身初の本格サイコ・スリラーとなる。89年「マイ・レフト・フット」で監督デビューし、アカデミー賞・監督賞、脚色賞にノミネート。
92年「父の祈りを」ではベルリン映画祭金熊賞を獲得。その後も、人間ドラマの秀作を作る監督として高い評価を得ています。

本作を陰で支えたスタッフたちの声を集め、映画の舞台裏について徹底的に迫りました!
豪華キャストが揃う俳優陣と名監督が作り上げた作品の陰には、彼らの涙ぐましい努力があったのです。

●カメラマンCaleb Deschanel(キャレブ・デシャネル)※4度のアカデミー賞候補になった経験を持つ。
※エミリー・デシャネル「私の中のあなた」&ゾーイ・デシャネル「(500)日のサマー」の父
監督のジム・シェリダンは即興が好きでね。なかなか脚本通りには進まなかったよ。撮影が進むごとに変わっていって、それについて行くのは大変だった。
最初の方の撮影は脚本通りに進むんだけど、でもだんだんと脚本はただのガイドラインに過ぎなくなって、でもそのやり方があったからこそ、俳優陣の演技はより本質的で力強くなっていったと思うんだ。

●プロダクションデザイナーCarol Spier(キャロル・スピア) 
理想的な家を見つけるのに、Google Earthを使ったのよ。
脚本によるとカーブ道に建っている英国植民地時代のデザインの家が理想的だったんだけど、理想に近い家は見つかったものの完璧なものではなく、家探しには手こずったわ。
本当は一から作るのがベストだったけど、時間と予算の関係でケ地を探し出すほかなかったの。
最終的には、トロント郊外のオークビルという場所に家を見つけたんだけど、冬でとても寒かったし、家の内観はスタジオにセットを作ったの。家を理想的な家から、廃墟のように変化させる為に、壁を茶色と白に塗って、漆喰を削ると年季の入った壁が現れるようにしたわ。現場は大掛かりで30・40人の大工さんが働いていたかな。

●衣装デザイン:Delphine White(デルフィーヌ・ホワイト) 
レイチェル・ワイズの設定が(監督の即興の考えで)途中から変わったのよ。
ダニエルとはニューヨークのクラブで知り合って昔はイケてるロックンローラーの設定にしたんだけど、途中から衣装の印象が変わってね。
でも、撮影は物語の進行順通りに進んだから、レイチェルの衣装がごちゃごちゃに入れ違うことは幸いなことに避けられたわ。
レイチェルの衣装の変化に気づく観客もいるかもしれないけどね(笑)

●特殊効果:Sophie Vertigan(ソフィー・バーティガン) 雪担当
※この人は現場のスタッフから雪担当にちなんでsnowfie(スノーフィー)というニックネームで呼ばれていた。
雪が物語の流れを表す重要なファクターになっているの。
劇中で殺人が起きた時は4月にも関わらず雪がひどく降っているし、ダニエルが自分が何者で何が起こったのかを理解していく時(ダニエルの幻想が解ける時)は、雪も溶けはじめていて・・・。ひどい雪のシーンは木に紙で作った雪を使ったの。
地面に積もる雪はふとん綿(綿のお布団のようなもの)を使用したり、とにかくあらゆる工夫を凝らしたわ。

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執筆者

Yasuhiro Togawa