この度、春恒例の「おおさかシネマフェスティバル2009」を、今年も3月21日・22日の2日間、大阪歴史博物館にて開催させていただく運びとなりました。「映画ファンのための映画まつり」として関西の映画ファンに広く支持されてきた本映画祭ですが、今年度からは「大阪アジアン映画祭」と統合し、日本映画のお祭りとアジア映画の祭典という一大映画イベントとして開催いたします。

また、前身である「おおさか映画祭」以来の恒例の行事であり、当フェスティバル最大のイベント「おおさかシネマフェスティバル」2008年ベストテン作品賞&個人賞が決定いたしました。このベストテンは、年間200本以上の映画を見た方々からなる投票委員による投票をもとに、選考委員会を開催し決定に至ったものです。
2008年の1月から12月までに大阪で公開された映画を対象としております。

◇日 程 2009年3月21日(土)、3月22日(日)
◇会 場 大阪歴史博物館 4階講堂
(地下鉄谷町線・中央線「谷町四丁目駅」下車9号出口前、NHK 大阪放送会館隣)

◇プログラム
●3月21日(土)=各回入替制(前売1000円、当日1200円)
◇第一部…『The ショートフィルムズ はじめはみんなコドモだった』
大阪・朝日放送が新社屋移転記念で製作した5 監督によるオムニバス映画。東映京都撮影所で時代劇「イエスタデイワンスモア」を撮った大森一樹監督のトークショー。

◇第二部…「プガジャの時代」プガジャ&ATG製作『ガキ帝国』上映
80年代、大阪の若者文化の発信地となった情報誌の草分け「プレイガイドジャーナル」(プガジャ)を検証する。井筒和幸監督の出世作『ガキ帝国』(1967年)を上映。
トークショー…村上知彦+春岡勇二+西岡琢也(『ガキ帝国』脚本家)

◇第三部…新作プレミア上映『浪漫者たち』
奈良を舞台にした文学ロマン『浪漫者たち』ワールドプレミア。
舞台あいさつー…田中千世子監督+佐野史郎+伊勢谷能宣(予定)

●3月22日(日)=1日通し券(前売2500円、当日2800円)
◇べスストテン発表&表彰式及び上映会
10:00 ベストテン第1位作品『トウキョウソナタ』(黒沢清監督)上映
12:50 「おおさかシネマフェスティバル2009」
ベストテン発表&個人賞表彰式
(表彰式は、1時間30分を予定)
14:30 〈新作プレミア上映〉『スラムドッグ$ミリオネア』
本年度ゴールデン・グローブ賞最多4 部門に輝いた話題作『スラムドッグ$ミリオネア』
をいち早く特別プレミア上映! 『トレンスポッティング』のダニ− ・ボイル監督の最
新作。世界が称賛、絶賛の嵐に包まれた大感動作。クロージング上映!

2008年 おおさかシネマフェスティバル ベストテン&個人賞選定結果
【日本映画】
1位 トウキョウソナタ
2位 ぐるりのこと。
3位 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
4位 おくりびと
5位 闇の子供たち
6位 接吻
7位 歩いても歩いても
8位 秋深き
9位 人のセックスを笑うな
10位 クライマーズ・ハイ
次点 崖の上のポニョ

【外国映画】
1位 ラスト、コーション
2位 ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
3位 シークレット・サンシャイン
4位 ノーカントリー
5位 イースタン・プロミス
6位 ダークナイト
7位 4ヶ月、3週と2日
8位 つぐない
9位 ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト
10位 潜水服は蝶の夢を見る
次点 12人の怒れる男

【個人賞】
<監督賞> 黒沢清『トウキョウソナタ』、ポール・トーマス・アンダーソン『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
<主演女優賞> 木村多江『ぐるりのこと。』、タン・ウェイ『ラスト、コーション』
<主演男優賞> 藤田まこと『明日への遺言』、ダニエル・デイ・ルイス『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
<助演女優賞> 尾野真千子『クライマーズ・ハイ』、ケイト・ブランシェット『アイム・ノット・ゼア』
<助演男優賞> 渋谷天外『秋深き』、ヒース・レジャー『ダークナイト』
<新人賞> 月船さらら『世界で一番美しい夜』
<脚本賞> 西岡琢也『秋深き』
<撮影賞> 芦澤明子『トウキョウソナタ』
<音楽賞> ゴンチチ『歩いても歩いても』
<新人監督賞> 柴田剛『おそいひと』
<インディペンデント映画賞> 松岡奈緒美『背骨のパトス』
<特別賞> 浜村淳 MBS ラジオ『ありがとう浜村淳です』35 周年など長年の映画への貢献

<受賞者コメント>
藤田まこと(主演男優賞=明日への遺言)
「私を起用していただいた小泉監督とプロデューサーに感謝したい。岡田中将役は脚本頂いてから役がつかめなくて随分長い間悩みました。監督から「私に任せて」といわれてふんぎれました。もともと役に入っていくのが遅い方なんですが、役になりきれるよう環境を整備してもらい、順撮りで撮影してもらって、岡田中将になりきることができました。私の兄が海軍特別年少兵として17歳で出征して沖縄・久米島で戦死してまして、戦争の痛みを知る最後の世代として、戦争の悲惨さを若い人に伝えていきたいと思っていました。
今は完全復帰へ向けてリハビリ中。8キロ減った体重が半分戻りました。長いこと俳優やってますが、映画で賞を頂くのは初めて。いい励みになります」

木村多江(主演女優賞=ぐるりのこと。)
「まだ未熟な私が賞を頂いていいのか、戸惑っております。でも、賞に見合う役者になりたいと改めて背中を押していただきました。もっともっと精進します。本当にありがとうございました」

渋谷天外(助演男優賞=秋深き)
「織田作之助はもともと好きでよく読んでました。私の出番は4シーンぐらいですが、大阪らしいオヤジがやれたんではないか、と。映画館で見たら、お客さんが思わぬところで笑っていた。自分のシーンは客観的に見られませんが、織田作らしいええ映画やと思います」

月船さらら(新人賞=世界で一番美しい夜)
「この度、このような素晴らしい賞を頂きましたこと心から感謝致しております。関西は私の故郷もあり、育ての親でもある宝塚歌劇団もあります。その関西での映画祭で受賞で
きたことは、大きな励みとなりました。これからも頑張って、この賞に恥じないよう映画への思いを大切にしていきたいと思います」

■公式サイト—> http://www.oaff.jp

執筆者

Naomi KannoNaomi KannoNaomi Kanno