映画『南極料理人』(脚本・監督:沖田修一/原作:西村淳/主演:堺雅人)が、1月下旬からクランクインすることが決定いたしました。

『南極料理人』は、昭和基地からもはるか遠くに離れた、ペンギンもいなければ、ウイルスさえ存在しない、地の果てにある南極ドームふじ基地で8人の男達によって繰り広げられる、実話を基にした物語。凍てつく寒さの中で、日々研究に励む南極越冬隊員を支えるべく、単身赴任でやってきた料理人、西村(堺雅人)。孤立無援の僻地で彼から繰り出される料理は、フォアグラ、伊勢エビ、松坂牛など…絢爛豪華な高級食材ばかり!! 時に笑い、時に怒り、時に遠くはなれた家族を思って泣く男たちの姿に、観ているだけで、心もからだもあったまるハートウォーミング・コメディ。

主演の西村役に、本年度日刊スポーツ映画大賞 助演男優賞、報知映画賞 助演男優賞を受賞し、映画にドラマに大活躍の堺雅人(『ジェネラル・ルージュの凱旋』、『クライマーズ・ハイ』、NHK大河ドラマ「篤姫」など)。
本作が『壁男』、『ジャージの二人』に続き主演3作品目となる。劇中では、数々の食材を前に、料理の腕前も披露する予定。原作は、第38次隊として派遣された料理人、西村淳の南極越冬日記「面白南極料理人」(新潮文庫、春風社 刊)、そして、好評をうけて書き下ろされたその続編「面白南極料理人 笑う食卓」(新潮文庫 刊)。南極越冬隊の男たちの生活と人間模様が、豪華絢爛たる食材と大胆すぎる南極料理法を通じて描きだされる。脚本・監督を務めるのは本作が本格的デビューとなる新鋭・沖田修一。青年団や五反田団など、劇団とのコラボを中心に活動し、2002年水戸短編映像祭でグランプリを獲得。2006年には、初の長編自主映画『このすばらしきせかい』が公開され、異例のヒットを記録した。

本作は、2009年1月下旬にクランクインし、北海道ロケ、都内撮影スタジオでの撮影を行い、 2009年8月、テアトル新宿ほか全国公開を予定。

<主演:堺雅人コメント>
極地での研究という特殊な環境のなかで料理担当はいわば、みんなの「生活」を守る仕事なのかな、と思っています。料理のウデはふだんの生活に不自由しない程度しかないのですが、精一杯がんばりたいと思います。何回か料理指導をうけたのですが、本格的なコースものから家庭的な料理まで今回のメニューはどれもおいしそうなものばかりです。みなさんにしっかり皮下脂肪をたくわえてもらえるようにがんばりたいとおもいます。今回、僕も太るだろうな…。

<監督:沖田修一コメント>
●映画『南極料理人』制作理由
家族や友人が一緒に食卓を囲むというシーンを撮影するのが好きで、そんな時に、「面白南極料理人」という小説に出会いました。読んでみると、南極の中でも一番過酷な環境の「ドームふじ基地」という場所で、観測隊員の男たちが、楽しそうに飯を食い、生活する姿が、いきいきとした文体で書いてありました。この原作のように、過酷な状況を笑い飛ばす、南極の観測隊員たちの生活を、コメディー映画として制作したら、今までになく、面白いものができると思ったんです。

●堺雅人主演について
映画化にするにあたり、主人公は初めての南極越冬という設定で、スタートすることにしました。南極という状況に、オロオロしてほしかったんです。(キャスティングに際して)そもそも「南極料理人」という肩書きは、調理担当の心の持ちようではないかと思い、西村さんとは、体格も含めて、間逆なイメージで作っていくことにしました。そこで、堺雅人さんが、浮かんできました。南極にいなさそうで、南極にいたら面白い人。オロオロしながらも、立派に観測隊の母になっていく様を、堺さんで観たいと思いました。料理をする堺さんを想像して、チマチマした作業も、豪快な作業も、どれも面白そうだと思いました。要するに、どれをとっても、堺さんなら面白くなると思ったんです。

映画『南極料理人』は、2009年8月、テアトル新宿ほか全国公開予定

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執筆者

Naomi KannoNaomi Kanno