この度、「イラン映画祭2004」を開催する運びとなりました。
<日本初公開>の6作品を中心に全10本を赤坂・国際交流基金フォーラムを会場に10日間にわたりお届けいたします。中には「カンダハール」のモフセン・マフマルバフがメガホンをとり、「運動靴と赤い金魚」や「少女の髪どめ」などの映画監督として知られるマジッド・マジディが主役として出演している未公開作「ボイコット」などの大注目作が上映されます。

======================================================================

■■■■ 「イラン映画祭2004」 Iranian Film Festival 2004 ■■■■

 6/4(金)〜6/13(日) 赤坂・国際交流基金フォーラムにて開催!

     日本初公開作も含む、傑作や娯楽作品を紹介
     映画大国イランの豊かな魅力に迫る

================================<全10作品上映、全て日本語字幕付>====

 <INDEX>
  1,開催概要
  2,企画趣旨
  3,上映作品紹介
  4,関連シンポジウム
  5,上映スケジュール
  6,お問い合せ先

——————–
■1,開催概要

 名称:イラン映画祭2004 (Iranian Film Festival 2004)
 期間:2004年6月4日(金)〜6月13日(日)
 会場:赤坂・国際交流基金フォーラム
     東京都港区赤坂2−17−22 赤坂ツインタワー1F
     地下鉄銀座線・南北線「溜池山王」駅12番出口より1分

 主催:イラン映画祭2004実行委員会
 共催:イランイスラム共和国大使館
 助成:独立行政法人 国際交流基金
 企画・運営協力:特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会事務局
 協力:アテネ・フランセ文化センター、福岡市総合図書館、
    スリー・アローズ・エンターテイメント、
    ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント、ファラビ映画財団

 入場料金:前売 800円/当日1000円 (各回入替制)
      前売券の発売は、チケットぴあにて。(Tel:0570-02-9999)
      Pコード 550−453 <日時指定>

 ※各回入替制 ※全作品日本語字幕付き (シンポジウムは入場無料)

 お問合せ:「イラン映画祭2004」事務局(東京フィルメックス事務局内)
        Tel:03-3560-6394 月〜金 11:00〜18:00(平日のみ)

 会期中のお問合せ:国際交流基金フォーラム Tel:03-3562-4096
         (6/4〜/13の開催期間中のみ)

——————–
■2,企画趣旨

 中近東随一の映画大国イランでは、年間60本以上の映画が製作されており、日本でも毎年10本前後の作品が劇場公開、テレビ放映、映画祭上映等の形で紹介されています。ただ、そのような形で紹介される作品には児童映画が多く、イラン映画と言えば児童映画というイメージが多くの人々に定着していると思われます。もちろん、イランが世界でも指折りの児童映画製作国であることは間違いありません。しかし、イランでは児童映画以外にも、様々なジャンルの映画—アクション、コメディ、戦争映画、等々—が製作され、むしろ日本で紹介されている児童映画以上に多くの観客を獲得しています。国外ではほとんど知られていないにも関わらず、イラン国内では圧倒的な人気を博している映画監督も少なくありません。「イラン映画祭2004」は、日本未公開作品を中心に、これまで日本で紹介されることの少なかったタイプの映画を紹介します。この映画祭が、イランの文化をより深く理解する機会になることを願ってやみません。

——————–
■3,上映作品

Part1) イラン映画を代表する6人の巨匠・未公開作品——————–

a)ボイコット 【日本初上映】
 The Boycott/1986/110min/Mohsen Makhmalbaf
 監督:モフセン・マフマルバフ 主演:マジッド・マジディ
 自己の監獄体験をもとに映画化し、マフマルバフが初めて映画作家として認められる契機となった作品。冒頭の街頭での激しい銃撃戦と、後半の監獄の超現実主義的なイメージが強烈なインパクトを残す傑作。後に映画監督となるマジディが主人公の革命家役を熱演。

b)ホルシッド船長 【日本初上映】
 Captain Khorshid/1987/117min/Nasser Taghvai
 監督:ナセール・タグヴァイ 主演:ダリウシュ・アールジュマンド
 『キシュ島の物語』の第1話「ギリシア船」を監督した巨匠タグヴァイの代表作。ハワード・ホークスの『脱出』の原作でもあるヘミングウェイの小説をイランに置き換えて映画化した作品。1988年ロカルノ映画祭で銅豹賞を受賞。

c)鉛  【日本初上映】
 Sorb/1988/130min/Masud Kimiai
 監督:マスード・キミヤイー 主演:ハディ・エスラミ
 昨年の東京フィルメックスでイスラム革命前の代表作『大地』が上映されたアクション派の巨匠キミヤイーの知られざる傑作。1948年のテヘランを舞台に、シオニスト組織に叔父を殺害され、国外への逃亡をはかろうとする若いユダヤ人の夫婦を描く。

d)クスノキの匂い、ジャスミンの香り 【日本初上映】
 Smell of Camphor, Fragrance of Jasmin/2000/93min/Bahman Farmanara
 監督:バフマン・ファルマナーラ 主演:レザ・キヤニアン
 キアロスタミの初期作品のプロデューサーでもある映画作家ファルマナーラが、長期間の沈黙を破ってイスラム革命後初めて発表した作品。死にとりつかれた映画監督の彷徨を流麗な映像美で描き、2000年モントリオール映画祭審査員大賞を受賞した。

e)街の陰
 Under the Skin of the City/2001/92min/Rakhshan Bani-Etemad
 監督:ラクシャン・バニエテマド 主演:ゴラブ・アディネ
 イランを代表する女性監督バニエテマドの代表作。足が不自由な夫を抱え、子供たちの様々なトラブルに悩まされながらも力強く生きる女性の姿を洗練されたスタイルで描く。2001年モスクワ映画祭審査員特別賞、トリノ映画祭観客賞等、様々な受賞に輝く作品。

f)ベマニ 【東京初上映】
 Bemani/2002/97min/Dariush Mehrjui
 監督:ダリウシュ・メールジュイ 主演:ネダ・アガエイ
 イラン映画史上の金字塔と言われる『牛』を監督し、近年では女性問題を扱った映画を多く発表しているメールジュイの代表作の一つ。強制的に結婚させられた年上の夫から逃れようとする女性の運命を描く。2002年カンヌ映画祭「ある視点」部門で上映された。

Part 2) イランの人気娯楽映画———————

g)チャザベーへの旅 【日本初上映】
 Journey to Chazzabeh/1995/100min/Rasul Molagholipoor
 監督:ラスール・モラゴリプール 主演:マスード・カラマティ
 戦争映画の巨匠として人気の高いモラゴリプールの代表作。イラン・イラク戦争が終結してから数年後、かつての激戦地に旅した映画監督と音楽家が、突然戦闘のさなかに放り出されるというシュールな発想に基づく異色の戦争アクション。

h)低空飛行 【日本初上映】
 Low Heights/2002/115min/Ebrahim Hatamikia
 監督:エブラヒム・ハタミキア 主演:ハミッド・ファロクネジャード
 イランの大衆の感情を代弁するアクション仕立ての作品を連打し、圧倒的な人気を誇るハタミキアの大ヒット作。家族とともに移民を試みるべく、航空機をハイジャックする男を描いたアクション映画。

i)ふたりのミナ 【東京初上映】
 Through Sunglasses/2000/98min/Mohammad Hossein Latifi
 監督:モハマド・ホセイン・ラティフィ 主演:ファテメ・モタメダリア
 イランで大ヒットを記録したドタバタ・コメディ。離婚するために役所を訪れた女性ミナが、無理矢理に結婚させられそうになっている同名の若い女性を助けて逃亡する。イランを代表する女優ファテメ・モタメダリア主演作。

j)風の絨毯
 The Wind Carpet/2002/109min/Kamal Tabrizi
 監督:カマル・タブリーズィー 主演:柳生美結、榎木孝明、レザ・キヤニアン
 日本人の少女とイラン人の少年の交流を描いた日本=イラン共同製作映画。テヘラン・ファジル映画祭で観客賞を受賞し、イラン国内でも大ヒットを記録した。監督はイランの庶民の感情を描いた秀作の数々で知られるタブリーズィー。

——————–
■4,関連シンポジウム

 シンポジウム(1):
   6月5日(土)16:00〜 
  「イラン映画の過去、現在、未来」
   予定パネリスト:バフマン・ファルマナーラ、レザ・キヤニアン、
           ダリウシュ・メールジュイ他

 シンポジウム(2):
   6月12日(土)16:00〜 
  「イラン映画の女性」
   予定パネリスト:ファテメ・モタメダリア他

*シンポジウムは入場無料

——————–
■5,上映スケジュール

6/4(金)
 16:00 (d)クスノキの匂い、ジャスミンの香り★

6/5(土)
 10:30 (j)風の絨毯☆
 13:00 (a)ボイコット
 16:00 シンポジウム(1)
 19:00 (c)鉛

6/6(日)
 10:30 (i)ふたりのミナ
 13:00 (e)街の陰
 16:00 (g)チャザベーへの旅
 19:00 (f)ベマニ★

6/7(月)
 13:00 (a)ボイコット
 16:00 (c)鉛
 19:00 (b)ホルシッド船長

6/8(火)
 13:00 (h)低空飛行
 16:00 (a)ボイコット
 19:00 (g)チャザベーへの旅★

6/9(水)
 13:00 (e)街の陰
 16:00 (b)ホルシッド船長
 19:00 (h)低空飛行★

6/10(木)
 13:00 (d)クスノキの匂い、ジャスミンの香り
 16:00 (f)ベマニ
 19:00 (i)ふたりのミナ★

6/11(金)
 13:00 (g)チャザベーへの旅
 16:00 (h)低空飛行
 19:00 (a)ボイコット

6/12(土)
 10:30 (f)ベマニ
 13:00 (i)ふたりのミナ★
 16:00 シンポジウム(2)
 19:00 (e)街の陰

6/13(日)
 10:30 (b)ホルシッド船長
 13:00 (c)鉛
 16:00 (d)クスノキの匂い、ジャスミンの香り

 *開場は各回20分前。全作品日本語字幕付。各回入れ替え制。
 ★の回はゲストによる舞台挨拶を予定。
 ☆ は、上映後に榎木孝明、レザ・キヤニアンによるトークショーを予定。
 (上映作品、ゲスト等は変更になる場合があります)